ビューレベルの自動寸法の追加

Tekla Structures
2022
Tekla Structures

ビューレベルの自動寸法の追加

次の例では、ビュー レベルで自動寸法を作成する基本的なワークフローについて順を追って説明します。目標は、同様の図面を後で作成するときに使用できる図面プロパティを作成することです。必要なビューをすべて含め、必要な寸法を設定するため、該当する図面プロパティ ファイルを読み込むだけで図面を作成できます。

統合寸法を使用する場合は「統合寸法タイプを使用したビューごとの自動寸法の追加」を、螺旋梁の寸法設定を使用する場合は「螺旋梁の寸法設定」を参照してください。

ワークフローは、4 つのタスクで構成されます。

  1. 図面プロパティの作成
  2. 図面ビューおよび図面ビュー設定の定義
  3. 寸法内容のルールの定義
  4. 寸法内容のルールのプロパティの作成および適用

図面プロパティ ファイルの定義

図面プロパティで定義したすべての設定 (ビュー レベルの寸法設定を含む) をすべてまとめる図面プロパティ ファイルを作成します。

  1. [図面とレポート] タブで、[図面のプロパティ] をクリックし、図面タイプを選択します。
  2. 図面プロパティで、上部のリストから選択することで、新しいプロパティの基本として使用するプロパティを読み込みます。

    適切な図面プロパティがない場合は、図面プロパティ ファイルに一意の名前を付けて、[保存する] をクリックしてプロパティを保存します。

これで、新しい寸法設定を保存できる図面プロパティ ファイルが作成されました。

作成する図面ビューの定義

必要なビューを作成し、使用するビュー プロパティを定義するには、次のようにします。

  1. [図面とレポート] タブで、[図面のプロパティ] をクリックし、図面タイプを選択します。
  2. このワークフローのフェーズ1で作成して保存した図面プロパティを読み込みます。
  3. オプション ツリーで [ビューの作成] をクリックします。
  4. 次のパネルで、[行の追加] をクリックして図面に新しいビューを追加します。

  5. 作成するビューの [オン/オフ] コントロールを [オン] に設定します。

    [自動] を選択すると、使用した寸法内容設定で関連する寸法が作成される場合にビューが作成されます。関連する寸法が作成されない場合、ビューも作成されません。Tekla Structures は、寸法が関連しているかどうかを自動的に判断できます。

これで、作成する図面に含めるビューが定義されました。[保存する] を使用してビューのリストを保存し、別の図面で同じビュー セットが必要な場合に読み込むことができます。

ビューの寸法の定義

上の手順で作成した図面ビューで使用する寸法作成ルールのプロパティを定義します。

モデル フォルダーは作業フォルダーです。寸法作成ルール ファイルは、詳細設定 XS_FIRM および XS_PROJECT によって定義された企業フォルダーやプロジェクト フォルダーからも読み取ることができます。相対パスを定義することもできます。たとえば、XS_FIRM=".\ts" を使用すると、モデル フォルダー内の 'ts' フォルダーからファイルを読み取ることができます。

寸法を作成する部材をフィルターを使用して選択する予定である場合は、埋込み材、内側のパネルまたは外側のパネルなどを選択するための図面ビュー フィルターを最初に作成する必要があります。

採寸タイプごとに別個の寸法内容のルールを作成する必要があります。たとえば、[外形寸法] を使用して作成したルールは、[外形寸法] の場合のみ有効であり、[縁端寸法] などの場合には有効ではありません。

  1. [ビューの作成] パネルでビューを選択し、[ビュープロパティ] をクリックします。
  2. [ビュープロパティ] ダイアログ ボックスのオプション ツリーで [寸法] をクリックし、選択したビューに作成する寸法を定義します。
  3. [行の追加] をクリックしてルールを追加します。

    ここでは、2 つの行を追加します。

    リストでのルールの順序によって、図面での寸法線の順序が定義されます。最初のルールによって作成された寸法が対象のオブジェクトに最も近い位置に配置されます。

    この時点では、このパネル内の [統合寸法] に対してのみフィルターを設定できます。[寸法作成ルールのプロパティ] ダイアログ ボックスでフィルターを選択し、すべてのルールの [フィルター] 列で [現在の製品] の選択内容をそのままにできます。

    [フィルター] 列で [現在の製品] をそのままにします。

  4. 選択したルールの [寸法タイプ] を選択します。

    ここでは、外形寸法と孔の寸法を選択します。

  5. いずれかのルールを選択し、[ルールの編集] をクリックします。
  6. 選択された寸法タイプに応じて、特定の [寸法作成ルールのプロパティ] ダイアログ ボックスが表示されます。以下のいずれかの操作を行います。
    • ほとんどの寸法タイプでは、どの寸法をどの位置に、どのように配置するかを定義する必要があります。[寸法プロパティ] リストから、保存した寸法プロパティの適切なセットを選択し、寸法の表示、寸法テキストのフォント サイズや色を変更します。必要に応じて、[すべての側面で同じ] をオフにし、異なる寸法プロパティを選択することで、側面ごとに異なる寸法線プロパティを定義することができます。

    • 寸法タイプ 螺旋梁の寸法 を選択した場合は、事前定義された寸法プロパティを選択します。ニーズに適した利用可能なプロパティがない場合、図面が開いている状態で、[図面 > プロパティ > 寸法] をクリックします。必要な寸法プロパティを編集して保存し、螺旋梁の [寸法作成ルールのプロパティ] ダイアログ ボックスで 3 つの寸法タイプに選択できるようにします。

  7. 寸法作成ルールに一意の名前を付け、[名前を付けて保存] をクリックします。
  8. [閉じる] をクリックします。
  9. 手順 5 ~ 8 に従ってビューに必要な他の寸法内容ルールを定義します。
  10. ルールに適切なプロパティを選択します。

    寸法線は、デフォルトで、[ビューの作成] パネルで定義された順序で作成および配置されますが、Tekla Structures では寸法線の最適な位置が配置と保護の設定に従って検索されます。そのため、寸法の配置は必ずしも作成順とは限りません。結果を確認し、必要に応じて寸法線の位置を調整します。

  11. 左上隅で、ビュー プロパティに一意の名前を付け、[保存する] をクリックしてビュー プロパティ ファイルの変更内容を保存します。
ここでは、2 つタイプの寸法を含む新しいビュー プロパティを作成しました。このプロパティ ファイルと図面ビューを関連付け、定義された寸法をそのビューで使用できます。

ビュープロパティとビューを関連付け、図面プロパティを保存

新しいビュー プロパティを図面ビューに関連付け、図面プロパティを保存します。

  1. [ビューの作成] パネルで、作成するビューの適切なビュー プロパティを選択します。

    以下の例では、正面ビューと1つの断面図が作成され、ビューがビュープロパティcu_FRONTおよびcu_SECTIONに関連付けられています。

  2. このワークフローのフェーズ1で、図面プロパティファイルを作成または読み込んだことに留意してください。 [保存する] をクリックして図面プロパティを保存し、[OK] をクリックして図面を作成します。

Tekla Structuresにより、さまざまなプロパティファイルの定義に従って図面が作成されます。

ワークフローの例:ビューレベルで外形と孔の自動寸法を作成する

このワークフローの例では、次のものを含むキャストユニット壁パネル図を作成します。

  • 外形自動寸法と孔の自動寸法が設定された1つの正面ビュー
  • 外形寸法が設定された1つの断面図

外形と孔の寸法ルールでは、以前に作成し、キャストユニット図に手動で保存した寸法記号プロパティを適用します。作成した寸法作成ルールのプロパティをビュープロパティに保存します。最後に、作成したビュープロパティを図面プロパティに保存し、キャストユニット図を作成します。

作業を始める前に、開いているキャスト ユニット図のオブジェクト レベルのダイアログ ボックスで、寸法テキストのフォント サイズを 5.00 に設定した dim_font_5 と、寸法の色を赤に設定した dim_red の 2 つの寸法プロパティ ファイルを手動で作成します。

この例では、モデル内の次のキャストユニット壁パネルの寸法に移動します。

作成するビューの定義

  1. [図面とレポート] タブで、[図面のプロパティ > キャストユニット図] をクリックします。

  2. 必要なものとできる限り近い図面プロパティを読み込みます。
  3. オプション ツリーで [ビューの作成] をクリックします。

  4. [ビューの作成] パネルで、[行の追加] をクリックして図面に新しいビューを追加します。

    この例では、正面ビューと断面図の2つのビューを追加します。

  5. 作成するビューの [オン/オフ] 設定を [オン] に設定します。

リストに余分なビューが含まれている場合は、それらのビューを [オフ] に設定するか、[行の削除] ボタンを使用して削除します。

これで、作成するビューが定義されました。次に、正面ビューと断面図に含める寸法を定義する必要があります。

正面ビューの寸法の定義

  1. [ビューの作成] リストでビューを選択します。

    この例では、[正面] ビューを 1 つ選択します。

  2. [ビュープロパティ] をクリックし、オプション ツリーで [寸法] をクリックして正面ビューに作成する寸法を定義します。

  3. [寸法] パネルで、[行の追加] を使用して、寸法作成ルール リストに 2 つの新しい寸法内容ルールを追加します。

  4. 最初のルールとして [外形寸法] を選択し、2 番目のルールとして [孔寸法] を選択します。

    リストでのルールの順序によって、図面での寸法線の順序が定義されます。最初のルールによって作成された寸法が対象の部材に最も近い位置に配置されます。

    どちらのルールでも、[現在の製品] 列は [フィルター] のままにします。

  5. 外形寸法ルールを定義するには、[外形寸法] 行をクリックし、[ルールの編集] をクリックします。

  6. [寸法作成ルールのプロパティ] ダイアログ ボックスで、寸法を作成する対象、寸法を配置する位置と配置方法、使用する寸法プロパティを定義します。

    • オブジェクトの上と左側のチェックボックスをオンにします。また、寸法をリンクするために左上隅のチェックボックスもオンにします。

    • [始点] リストのデフォルト値を使用します。デフォルト値は、[水平] 寸法が左、[垂直] 寸法が下です。

    • [寸法プロパティ] リストから、保存されている寸法プロパティの適切なセットを選択します。この例では、寸法プロパティ ファイルとして、大きいフォントの定義が含まれた dim_font_5 を選択します。

    • 寸法作成ルールに一意の名前を付け、[名前を付けて保存] をクリックします。

      この例では、overallという名前を使用しています。

  7. [閉じる] をクリックします。

  8. 次に、孔の寸法を定義します。[寸法] パネルで、寸法ルール リストから [孔寸法] を選択し、[ルールの編集] をクリックします。

  9. 孔の寸法の寸法内容ルールを作成します。

    • オブジェクトの上と左側のチェックボックスをオンにします。また、寸法をリンクするために左上隅のチェックボックスもオンにします。

    • [始点] リストのデフォルト値を使用します。

    • [線の終点] で、寸法線をキャスト ユニットのもう一方の端部まで延長する設定を選択します。

    • [寸法] で、両端に寸法を作成する設定を選択します。

    • [寸法プロパティ] リストから、保存されている寸法プロパティの適切なセットを選択します。この例では、寸法プロパティ ファイルとして、赤の寸法の定義が含まれた dim_red を選択します。

    • 孔の寸法作成ルールに一意の名前を付け、[名前を付けて保存] をクリックします。

      この例では、holeという名前を使用しています。

  10. [閉じる] をクリックします。

  11. [外形寸法] ルールでは overall プロパティを、[孔寸法] ルールでは hole プロパティを、[プロパティ] 列で選択します。

  12. [ビュープロパティ] ダイアログ ボックスで、正面ビュー プロパティに一意の名前を付け、[保存する] をクリックします。

    この例では、CU_Frontという名前で正面ビュープロパティを保存しています。

これで、外形寸法と孔の寸法を含む正面ビューのビュープロパティが保存されました。[ビュープロパティ]ダイアログボックスを開いたままにして、さらに変更を行います。

断面図の寸法の定義

壁厚さを表示するため、キャストユニット図に断面図も必要となります。 次に、断面図の外形寸法を作成します。

  1. [ビューの作成] パネルで、[断面図] 行を選択し、[ビュープロパティ] をクリックします。

  2. ビュープロパティファイルCU_Frontを読み込みます。

    既存のビュープロパティに基づいて新しいビュープロパティの作成を開始できます。

  3. オプション ツリーで [寸法] をクリックします。

  4. [寸法] パネルで、[孔寸法] 行と [行の削除] をクリックして不要な孔の寸法ルールを削除します。

    断面図で必要なのは外形寸法だけです。

  5. [外形寸法] 行をクリックし、[ルールの編集] をクリックします。

  6. 断面図の外形寸法の寸法作成ルールを作成します。

    • 厚さだけを表示するため、オブジェクトの下のチェックボックスだけをオンにします。

    • 寸法テキストを少し大きいフォントで表示するため、正面ビューの外形寸法と同じ寸法記号プロパティを選択します(dim_font_5)。

    • ルールに一意の名前を付け、[名前を付けて保存] をクリックします。

      この例では、thicknessという名前を使用しています。

  7. [閉じる] をクリックします。

  8. [寸法] パネルで、外形寸法作成ルールのプロパティ ファイルとして [プロパティ] 列で thickness を選択します。

  9. 断面図プロパティに一意の名前を付け、[名前を付けて保存] をクリックします。

    この例では、CU_Sectionという名前を使用しています。

  10. [OK] をクリックします。

    これで、外形寸法を含む断面図のビュープロパティが保存されました。

ビュープロパティとビューを関連付け、図面プロパティを保存

  1. [ビューの作成] パネルで、正面ビューに CU_Front を、断面図に CU_Section を選択します。

  2. [図面プロパティ] ダイアログ ボックスで、図面プロパティに一意の名前を付け、[保存する] をクリックします。

    この例では、名前cu_wall_panelが使用されています。

  3. [OK] をクリックし、キャスト ユニット図を作成します。

さまざまなプロパティファイル内の定義に従ってキャストユニット図が作成されます。キャストユニット図には、正面ビューと断面図が含まれています。どちらのビューでも外形寸法には少し大きいフォントが使用され、正面ビューでは孔の寸法が赤で示されています。断面図では壁厚さの寸法だけが作成されます。

後で同様の設定を使用する図面が必要になったときには、図面プロパティファイルとしてcu_wall_panelを使用できます。

Tip:

キャストユニット図の作成後も、ビューで寸法内容の設定を変更できます。

  1. 図面ビュー フレームをダブルクリックして、ビュー プロパティ ダイアログ ボックスを開きます。

  2. オプション ツリーで [寸法] をクリックして、[寸法] パネルを開きます。ここでは、寸法作成ルールを選択して編集できます。

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