FEM

Tekla Structures
2021
Tekla Structures

FEM

Tekla Structures の FEM インポートおよびエクスポート ツールでは、複数の形式をサポートしており、モデルをインポートおよびエクスポートするためのオプションがいくつか用意されています。

FEM (有限要素法) は、構造エンジニアリングで使用される解析計算法です。この要素法では、ターゲットを節点と呼ばれる点で相互に接続された適切な有限要素に分割します。

FEM インポート ツールを使用して、次の形式を Tekla Structures にインポートできます。

オプション

ソフトウェア

DSTV

DSTV (Deutsche Stahlbau-Verband) 形式のデータ。RSTAB 静的ソフトウェアや Masterseries 解析システムなどの各種システム。

DSTV 製作形式は、NC (数値制御) 機械で鉄骨コンポーネントの製作に使用される標準形式です。DSTV には、解析モデルを 3D 物理モデルに転送する際に使用される解析形式もあります。

プログラムによってそれぞれ異なる DSTV ファイルが生成されます。たとえば、RSTAB 静的ソフトウェアで生成される DSTV ファイルには、静的モデルだけが含まれます。Tekla Structures では、静的モデル (CROSS_SECTION) 、CAD モデル (MEMBER_LOCATION) のどちらか一方がエクスポートされます。

SACS

SACS モデリング/解析ソフトウェア。

S-Frame

FASTSOLVE などの解析ソフトウェア。

Monorail

Monorail システム。

STAAD

STAAD (Structural Analysis And Design) 形式のデータ。STAAD モデリング/解析システム。

FEM インポートは STAAD データをインポートする古い方法です。Tekla Warehouse で使用できる、ISM または STAAD.Pro への直接リンクを使用することをお勧めします。Tekla Structures と STAAD.Pro または ISM が同じコンピューターに読み込まれている場合、直接リンクを使用できます。

Tekla Structures の STAAD インポートと互換性のある STAAD 入力ファイルを作成するには、STAAD で [Joint coordinate format (Single)] オプションを使用して入力ファイルを保存します。これにより、座標を 1 行に 1 つずつ記述した入力ファイルが作成されます。

STAN 3D

STAN 3D 解析ソフトウェア。

BUS

BUS 2.5 解析ソフトウェア。

FEM のインポート

  1. [ファイル] メニューで、インポート > FEM をクリックします。
  2. [新規インポートモデル] ダイアログ ボックスで、[FEM インポート] を選択します。
  3. リストから import model (デフォルト) を選択するか、新しい名前を入力します。
  4. [OK] をクリックします。
  5. [プロパティ...] をクリックしてダイアログ ボックスを開きます。このダイアログ ボックスで、インポート ファイルの設定を定義できます。
    設定 説明

    [変換] タブ

    プロファイル変換

    材質変換ファイル

    ツインプロファイル変換ファイル

    使用する変換ファイルを定義します。

    変換ファイルでは、プロファイル名および材質名を Tekla Structures と他のソフトウェアの間でマッピングします。

    変換ファイルの詳細については、「変換ファイル」を参照してください。

    [パーツ] タブ

    部材 マーク

    製品 マーク

    頭マークと開始位置番号を入力します。

    [パラメータ] タブ

    入力ファイル

    インポートするファイルの名前。目的のファイルをブラウズすることもできます。

    タイプ

    入力ファイル タイプ (DSTV、SACS、Monorail、Staad、STAN 3D、BUS) を選択します。

    原点X, 原点Y, 原点Z

    ファイルを特定の位置に配置する場合は、原点座標を定義します。

    標準降伏応力度

    降伏応力が限度以上の場合の標準材質

    降伏応力が限度より小さい場合の標準材質

    [降伏応力が限度より小さい場合の標準材質] 設定は、SACS インポート ファイルに使用されます。降伏応力が制限値を下回る場合に使用する材質を定義します。

    [降伏応力が限度以上の場合の標準材質] 設定は、SACS または DSTV インポート ファイルに使用します。SACS の場合、このフィールドで降伏応力が制限値以上の場合に使用する材質を定義します。DSTV の場合、インポート ファイルに材質が含まれていない場合に、ここで材質を入力できます。

    複合要素

    複合の際の最大長さ

    FEM モデルの複数の要素を Tekla Structures で 1 つの部材に結合し、[複合要素] を [はい] に設定します。

    たとえば、ファイル内の梁が複数の要素で構成されている場合、[はい] を選択すると、要素が結合されて Tekla Structures モデルで 1 つの梁を形成します。

    [いいえ] を選択すると、Tekla Structures によって FEM モデルの要素ごとに梁が作成されます。

    [複合の際の最大長さ] は、[複合要素] を [はい] に設定した場合にのみ適用されます。この設定を使用して複合要素の最大長を定義します。要素を結合したときの長さがここで入力した値よりも短い場合にのみ、Tekla Structures により要素が 1 つの部材に結合されます。

    [Staad] タブ

    材質

    材質を選択します。

    [レポートの作成] タブ

    レポートの作成

    [はい] に設定すると、レポートが作成されます。

    レポートを表示する

    [はい] に設定すると、レポートが表示されます。

    レポートテンプレート

    レポート テンプレートを選択します。テンプレートをブラウズすることもできます。

    レポートファイル名

    レポート ファイルの名前を入力するか、レポート ファイルをブラウズします。

    レポートに名前を指定しないと、レポートは import_revision_report.rpt という名前でモデル フォルダーに保存されます。

    [DSTV] タブ

    バージョン

    DSTV のバージョンを選択します。

    スタティック部材のインポート

    その他の部材のインポート

    インポートする DSTV ファイルに静的モデルと CAD モデルが含まれている場合、インポートするモデルを選択できます。

    [スタティック部材のインポート] で [はい] を選択すると、静的モデルがインポートされます。

    [その他の部材のインポート] で [はい] を選択すると、CAD モデルがインポートされます。

    [Stan 3d] タブ

    縮尺

    インポート モデルの縮尺を指定します。Tekla Structures モデルとインポート モデルがどちらもミリメートル単位であれば、縮尺を指定せずに STAN 3D をインポートできます。STAN 3D ファイルがミリメートル単位の場合は、縮尺 1 を使用します。STAN 3D ファイルがメートル単位の場合は、縮尺 1000 を使用します。

    材質

    インポートする部材の材質を入力します。

    [Bus] タブ

    マーク

    インポートする梁、柱、ブレース、および片持ち梁の [マーク] を指定します。

    材質

    インポートする部材の材質を入力します。

    名前

    インポートする部材の名前を入力します。

    クラス

    インポートする部材のクラスを入力します。

    梁上面をフロアーレベルに配置

    [はい] を選択すると、すべての梁の上面が床面レベルで揃えられます。

    [詳細設定] タブ

    ...の際に実行する オブジェクトの状態は (比較すると)

    [前回の] [インポート] には、インポートするファイル内のオブジェクトと比較したモデル内のオブジェクトの状態が示されます。[新規の]、[変更された]、[削除済み]、[同一の] の 4 つに分類しています。

    Tekla Structures により、インポートするオブジェクトの状態がモデル内のオブジェクトの状態と比較されます。[モデルにはない]、[異なる]、[同一の] の 3 つに分類しています。

    [モデルにはない]、[異なる]、および [同一の] の下にあるオプションを使用して、変更されたオブジェクトをインポートするときの処理を指定します。指定可能なオプションは、[実行しない]、[コピー]、[変更]、または [削除] です。

    通常は、デフォルト値を変更する必要はありません。

  6. [OK] をクリックして、[モデルのインポート] ダイアログ ボックスに移動します。
  7. インポートするモデルを選択します。
  8. [インポート] をクリックします。

    Tekla Structures に [インポートモデル情報] ダイアログ ボックスが表示されます。

  9. どのバージョンの部材をインポートするのかを選択します。
  10. [すべて更新] をクリックします。

    変更したモデルを再インポートする場合、[すべて破棄] をクリックしてすべての変更を破棄することも、[個別に部材指定...] をクリックして個々の変更を承諾または破棄することもできます。

  11. Tekla Structures に メッセージ「今後インポート比較のためにインポートモデルを保存しますか?」が表示されます。[はい] をクリックします。

    インポート モデルが Tekla Structures のモデル ビューに表示されます。

  12. モデル ビューを右クリックし、[作業領域を全モデルフィット] を選択して、インポートされたモデルが完全に表示されるようにします。
  13. 部材が表示されない場合は、[デプスアップ] ダイアログ ボックスで、[デプスダウン] と [ビュープロパティ] の値を確認し、必要に応じて値を変更します。

FEM のエクスポート

  1. Tekla Structures モデルを開きます。
  2. [ファイル] メニューで、エクスポート > FEM をクリックします。

    [FEM エクスポート] ダイアログ ボックスが開きます。

  3. [変換] タブに移動し、変換ファイルの名前を入力するか、目的のファイルをブラウズします。
  4. [パラメータ] タブに移動し、出力ファイルの名前を入力するか、目的のファイルをブラウズします。
  5. 出力ファイル タイプ (DSTVMicroSAS、または Staad)。
  6. Tekla Structures モデルの部材をエクスポート後のモデルで複数の要素に分割するには、[分割要素] を [はい] に設定します。
  7. MicroSAS にエクスポートする場合、複数の部材を結合してエクスポート後のモデルで 1 個の部材にするには、[分割要素(ミクロSAS)を結合] を [はい] に設定します。

    たとえば、梁を複数の要素に分割している場合に [はい] を選択すると、Tekla Structures によりそれらの要素を 1 つの部材に結合してモデルをエクスポートすることができます。[いいえ] を選択すると、モデルに含まれている梁の各要素が個別の梁を形成するようにエクスポートされます。

  8. Staad にエクスポートする場合は、[Staad] タブに移動します。
    • [プロファイルテーブル] リストからオプションを選択します。
    • 設定 [可能な場合にパラメトリックプロファイルを使用] を使用して、Tekla Structures から PL、P、D、PD、SPD の各プロファイルを STAAD にエクスポートする方法を指定します。[はい] を選択すると、STAAD がプロファイルを正確に識別できるように、プロファイルがパラメトリック形状としてエクスポートされます。[いいえ] を選択すると、すべてのプロファイルが STAAD の標準形状としてエクスポートされます。

      プレート PL10*200 をパラメトリック形状としてエクスポートした場合 ([はい] を選択した場合) の例を次に示します。

      13 PRI YD 200.000000 ZD 10.000000.

      同じプレートを標準形状としてエクスポートした場合 ([いいえ] を選択した場合) の例を次に示します。

      13 TABLE ST PL10*200

  9. DSTV にエクスポートする場合は、[DSTV] タブに移動します。
    • バージョン リストから DSTV のバージョンを選択します。
    • [エレメント参照] で、静的モデル (断面) と CAD モデル (部材位置) のどちらにエクスポートするかを選択します。
  10. モデルでエクスポートする部材を選択します。
  11. [適用(A)] および [作成(R)] をクリックします。

    Tekla Structures によってエクスポート ファイルが現在のモデル フォルダーに作成されます。

サポートされている DSTV エンティティ

DSTV エンティティを以下に示します。Tekla Structures でサポートされているエンティティには、アスタリスク (*) が付けられています。詳細については、DSTV規格『Stahlbau - Teil 1. März 2000』を参照してください。

静的データ:

vertex (*)

polyline

substructure (*)

node (*)

element (*)

element_eccentricity (*)

raster

boundary_condition

elastic_support

nodal_reaction

element_reaction

一般データ:

material (*)

cross_section (*)

CAD データ:

member (*)

member_location (*)

construction-data

cutout

hole

STAAD テーブル タイプの仕様

Tekla Structures でサポートされている STAAD テーブル タイプの仕様は、以下のとおりです。

  • ST (標準の組み込みテーブルから取得した単一の断面)

  • ST PIPE (パラメトリック)

  • ST TUBE (パラメトリック)

  • RA (Y_Z 軸が反転したシングル アングル)

  • D (ダブル チャンネル)

  • LD (長い脚、ツイン アングル)

  • SD (短い脚、ツイン アングル)

  • TC (上面カバー プレート付きの梁)

  • BC (下面カバー プレート付きの梁)

  • TB (上下面カバー プレート付きの梁)

上記のほか、タイプ CM および T、ユーザー定義の鋼テーブル タイプ (UPT)、その他の非標準プロファイルも、プロファイル変換ファイルで定義しておけばインポートが可能です。STAAD名ではアンダースコアを使用する必要があります(例: UPT_1_W10X49)。Tekla Structures では、このインポート ルーチンでツイン プロファイルが自動的に変換されます。

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