Tekla Model Sharing のベスト プラクティス

Tekla Structures
2020
Tekla Structures

Tekla Model Sharing のベスト プラクティス

共有モデルを適切な状態に維持して変更を正常に共有するには、以下の Tekla Model Sharing のベスト プラクティスに従います。

注:

同じ共有モデルのユーザーは、同じバージョンの Tekla Structures を使用し、同じ最新のサービス パックを使用する必要があります。

Tekla Model Sharingの一般的なトラブルシューティング手順については、「Troubleshooting Tekla Model Sharing (Tekla Model Sharingのトラブルシューティング)」を参照してください。

Tekla Model Sharing 用キャッシュ サービスをインストールする

Tekla Model Sharing キャッシュ サービスでは、Tekla Model Sharing サービスからモデル データをダウンロードした後、LAN 内のファイル システムにキャッシュします。キャッシュ サービスを使用するとインターネットの使用が減少し、同じデータを複数回リクエストしたときのダウンロード時間が高速になります。キャッシュは、アウトされるパケットには使用されないことに注意してください。

キャッシュ サービスでは、モデル データを共有サービスからダウンロードするためにインターネット接続が必要です。最初にユーザーがパケットを取得したときは、キャッシュ サービスに読み込まれます。同じパケットへの以後すべてのリクエストは、LAN 内のキャッシュ サービスから高速に結果が返されます。

キャッシュ サービスは、同じオフィスに Tekla Model Sharing ユーザーが 1 人しかいない場合であっても便利です。たとえば、モデル データがキャッシュ サービスで利用できるため、モデルへの再参加が高速になります。さらに、モデル データが常に小さいデータ ブロックとして読み込まれます。これは、たとえばダウンロードが何らかの理由で中断された場合でも、後からキャッシュ サービスを利用して、不足しているブロックだけをダウンロードすればよいという点で便利です。キャッシュ サービスの内容は、サービスから不要なファイルを削除するだけで、いつでもクリアできます。この方法を使用すると、古いモデル データを簡単に削除できます。

同じオフィス内に複数の Tekla Model Sharing ユーザーがいる場合は、Tekla Model Sharing キャッシュ サービスをインストールすることを強くお勧めします。キャッシュ サービスは、ダウンロード速度に制約のある地域で特に推奨されます。

下の図は、モデル データが共有サービスに保存され、Tekla Model Sharing キャッシュ サービスで使用される方法を示しています。

注:

何らかの理由でキャッシュ サービスに接続できない場合、Tekla Structures によってモデルの変更に直接クラウド ストレージが使用されます。これは、キャッシュ サービスへの接続がタイムアウトになった場合に、ダウンロード操作が進行中の場合にも発生することがあります。

キャッシュ サービスが使用されているかどうかを確認するには、\Users\<user>\AppData\Local\Tekla DataSharing フォルダーの ClientLog_cat.txtClientLog_dog.txt ログ ファイルを確認します。

キャッシュをインストールするための、ソフトウェアとシステムの要件は次のとおりです。

  • Windows Server 2008 R2 以降
  • .NET Framework 4.5.1

次の方法で、キャッシュ サービスをインストールします。

  1. キャッシュされたモデル データを保存できる十分なディスクの空き容量がある、アクティブな Windows コンピューターまたはサーバーが使用できることを確認します。
  2. Tekla Downloads から、Tekla Model Sharing キャッシュ サービス インストール ファイルをダウンロードします。
  3. インストール ファイルを実行し、インストール ウィザードの手順に従って、インストールを完了します。
    • デフォルトのキャッシュ フォルダーは C:\TeklaModelSharingCache です。必要に応じて、フォルダーの保存先を変更できます。

      保存先フォルダーに、サービスの予測使用量に対応できる十分なディスク空き容量があることを確認します。必要なディスク空き容量は、Tekla Model Sharing ユーザーの数とモデルのサイズに応じて、数ギガバイトから数テラバイトまで異なる場合があります。

    • キャッシュ サービスのデフォルトの TCP/IP ポート番号は 9998 です。

      Tekla Structures クライアント ワークステーションを設定してキャッシュを使用するときは、このポート番号を使用します。このポートは、キャッシュ サービスとの主要な通信および制御用のチャネルとなります。

    • 内部通信のデフォルトの TCP/IP ポート番号は 9001 です。

      このポートはキャッシュ サービスから自動的に取得され、実際のデータ転送に使用されます。

    ネットワーク アクセス

    TCP/IP ポート (デフォルトで 9001 と 9998) の受信トラフィックをキャッシュ サービス ホストに対して許可する必要があります。

    他のサービスやファイアウォールが原因で、これらのポートで競合などの問題が発生した場合は、ポートを他のポートに変更できます。

    キャッシュ サービスでは、モデル変更を共有サービスからダウンロードするためにインターネット接続が必要です。

    注:

    後でインストールを変更する必要がある場合は、TeklaModelSharingCacheService.exe インストール ファイルを再実行し、[修復] を選択します。これにより、以前に設定したキャッシュ フォルダーやポート番号を変更できるようになります。以前のキャッシュ フォルダーのコンテンツを使用するには、必要なコンテンツを新しいフォルダーにコピーまたは移動できます。

  4. Tekla Model Sharing キャッシュ サービスが開始されていることを確認します。
    • たとえば、コンピューター管理コンソール (compmgmt.msc) またはサービス管理コンソール (services.msc) を使用して、Windows サービスから [Tekla Model Sharing キャッシュ] を見つけます。

    • Windows イベント ビューアーを使用して、サービスでエラーが発生していないこと、およびサービスが開始されていることを示す情報メッセージがあることを確認します。

  5. キャッシュを使用する Tekla Structures クライアント ワークステーションを設定します。

    Tekla Structures の [ファイル] メニューで、共有 > 共有設定 をクリックします。

    [共有設定] ダイアログ ボックスで、次の操作を実行します。

    • [名前] は、キャッシュがインストールされているコンピューターの名前です。コンピューター名を確認するには、Windows の [コントロール パネル] > [システムとセキュリティ] > [システム] をクリックします。

    • [ポート] は、キャッシュ サービスをインストールしたときに設定したキャッシュ サービスのポート番号です。デフォルト値は、9998 です。

キャッシュ サービスのインストールに関するトラブルシューティング

Tekla Structures からサービスに接続できない場合は、次のようにします。

  • Tekla Model Sharing Windows サービスが実行されていることを確認します。

  • Tekla Structures に設定した TCP/IP ポート (たとえば、デフォルトのポートを使用している場合は、9001 または 9998) がファイアウォールによってブロックされていないことを確認します。

サービスが開始されない場合は、次のようにします。

  • Windows イベント ビューアーのアプリケーション ログで、エラーが発生していないかどうかを確認します。

共有モデルで GUID を正しく使用する

Tekla Structures オブジェクトには、オブジェクト GUID (グローバル一意識別子) として表示される識別子があり、これは Tekla Model Sharing で使用されます。

つまり、GUID を使用しない機能は GUID を使用するように変更する必要があります。

  • 互換性のインポート/エクスポート操作:

    • FabTrol XML

    • ASCII

  • 他のすべてのアプリケーションでは、静的 ID に依存するマクロおよびレポートプロセス

コンピューターに共有モデルのローカル バージョンを保存する

次の 2 つの理由から、ローカル バージョンの共有モデルはネットワーク ドライブではなくコンピューターに保存することをお勧めします。

  • ローカル モデルを自分のコンピューターに保存すると、共有モデルのパフォーマンスが向上します。これは、たとえばモデルが開く時間が短縮されることを意味します。

  • 共有モデルを自分のコンピューターに保存すると、他のユーザーが共有モデルにアクセスし、重要なファイルを誤ってブロックするのを防ぐことができます。

それでもローカル モデルをネットワーク ドライブに保存する場合、他のユーザーがアクセスできないプライベート ネットワーク ドライブを使用してください。

ベースラインを定期的に作成する

モデルのオーナーは、モデルのベースラインを定期的に作成する必要があります。たとえば、週に 1 回ベースラインを作成できます。

新しいユーザーをモデルに招待するたびに新しいベースラインを作成することをお勧めします。このようにして、共有モデルの結合が高速になります。

共有モデルのバックアップ

Tekla Model Sharing で使用されるモデルは、バックアップすることをお勧めします。共有モデルに問題が発生した場合、任意のユーザーのモデル (つまり、バックアップされているモデル) を選択し、モデルのローカル バージョンを使い続けることができます。バックアップされた完全なモデルを使用しており、モデル フォルダーに図面や各種データベースなどが存在することを確認します。これにより、モデルが正しく機能するようになり、データが失われることがなくなります。モデルのバックアップ バージョンが古い場合、すべての変更を読み込むには時間がかかることがあります。

会社の規則に従ってモデルをバックアップしてください (Windows バックアップを使用するなど)。また、[ファイル > 名前を付けて保存 > 保存してバックアップコピーを作成] コマンドを使用して、モデルのバックアップ コピーを作成することもできます。バックアップ コピーは、元のモデルと同じ GUID を持ちます。

[名前を付けて保存 ] コマンドを使ってモデルのバックアップはできない点に注意してください。[名前を付けて保存] を使用した場合、モデルには新しい ID が付けられ、元のモデルとの関連はなくなります。柱の作成など、1 点のみを指定するコマンドで [名前を付けて保存 ] コマンドを使用しても、モデル履歴は保存されたモデルと共にコピーされません。

Tekla Model Sharing でモデル オブジェクトをナンバリングする

共有モデルのナンバリングには、他のユーザーが行った変更の読み込み、一連のオブジェクトのナンバリング、ナンバリングの変更の書き出しの 3 つの主なフェーズがあります。共有モデルで部材をナンバリングする場合は、常に [選択オブジェクトのシリーズのナンバリング] コマンドを使用します。不要な作業と競合を避けるために、[変更部分のナンバリングを実行する] コマンドは使用しないでください。

共有モデルでオブジェクトのナンバリングを開始する前に、ナンバリングを慎重に計画 する必要があります。モデルをフェーズに分割し、作業中のフェーズ内のオブジェクトのみを各ユーザーがナンバリングすることをお勧めします。これにより、共有モデルでナンバリングが競合する事態を回避できます。

フェーズをナンバリングするには、次の操作を行います。

  1. 作業中のフェーズで変更作業を終了します。
  2. モデルを保存します。
  3. 他のユーザーが加えた変更をイン します。
  4. 変更を確認し、モデルを保存します。
  5. 変更されたマーク シリーズの部材を選択します。

    特定のマーク シリーズのオブジェクトを選択するための選択フィルターを作成 できます。たとえば、同じ製品マーク開始番号が設定されている複数のオブジェクトを選択できる選択フィルターを作成できます。

  6. [図面とレポート] タブで、ナンバリング実行 > 選択オブジェクトのシリーズのナンバリング を選択します。

    必要に応じて、別のマーク シリーズに対して手順 5 ~ 6 を繰り返します。

  7. ナンバリングが正常に完了したら、モデルを保存します。
  8. すぐに変更をアウトします。

共有モデルでの XS_FIRM フォルダーと XS_PROJECT フォルダーの使用

Trimble Connect プロジェクトでサブフォルダーをプロジェクト フォルダーまたは企業フォルダーとして使用する場合は、共有モデルでプロジェクト フォルダーと企業フォルダーを使用するのが最も簡単です。

プロジェクト フォルダーと企業フォルダーの情報は、Trimble Connect プロジェクトから共有モデルのローカル バージョンに対してしか更新されず、その逆は更新されません。実際には、Tekla Structures がプロジェクト フォルダーまたは企業フォルダーからローカル モデルに新しいファイルをダウンロードし、変更されたファイルを更新することを意味します。ローカル ファイルが Trimble Connect プロジェクト サブフォルダーにない場合、ローカル モデルから削除されます。

ローカル モデル データと Tekla Structures プロジェクトまたは企業フォルダーのデータの間の変更が Trimble Connect により検出されると、次の通知が表示されます。

[はい] をクリックすると、モデルは保存され、閉じられます。その後、ローカル モデル データが更新され、再び開きます。

Trimble Connect プロジェクト内のフォルダーを XS_FIRM フォルダーまたは XS_PROJECT フォルダーとして設定するには、次の操作を実行します。

  1. [ファイル] メニューで、設定 > 詳細設定 に移動します。
  2. オプションに応じて、次のいずれかを行います。
    Trimble Connect プロジェクトのサブフォルダーを次のように設定するには 実行するには

    XS_PROJECT フォルダー

    1. [詳細設定] ダイアログ ボックスで、XS_PROJECT オプションを見つけます。

    2. XS_PROJECT の値を %CONNECT_FOLDER_SYNC% に設定します。

      %CONNECT_FOLDER_SYNC%:\Users\<user>\AppData\Local\Trimble\Tekla folder sync\<folder> を指しています

    3. 注:

      同じ Trimble Connect プロジェクトを XS_PROJECT フォルダーとしてコラボレーションに使用する場合は、Trimble Connect コラボレーション情報から分離されたサブフォルダーを XS_PROJECT フォルダーとして使用する必要があります。この場合、サブフォルダーは %CONNECT_FOLDER_SYNC%\<folder>\<sub-folder of the folder> として設定されます。

      たとえば、プロジェクト フォルダーを Project という名前で Project settings フォルダーの下に保存できます。この場合、値は %CONNECT_FOLDER_SYNC%\Project Settings\Project に設定する必要があります。

    XS_FIRM フォルダー

    1. [詳細設定] ダイアログ ボックスで、XS_FIRM オプションを見つけます。

    2. XS_FIRM の値を %CONNECT_FOLDER_SYNC%<ProjectID>;<region> に設定します。

      プロジェクト ID は、Trimble Connect for Browser で確認できます。

      地域は、プロジェクト サーバーの場所の設定と同じです。次のオプションがあります。
      • asia

      • europe

      • northAmerica

      したがって、たとえば、値は %CONNECT_FOLDER_SYNC%m1G-M21Ca_o;northAmerica になります。

      注:

      同じ Trimble Connect プロジェクトを XS_FIRM フォルダーとしてコラボレーションに使用する場合は、Trimble Connect コラボレーション情報から分離されたサブフォルダーを XS_FIRM フォルダーとして使用する必要があります。この場合、サブフォルダーは %CONNECT_FOLDER_SYNC%\<ProjectID>;<region>%<folder>%<sub-folder of the folder> として設定されます。

      たとえば、プロジェクト フォルダーを Project という名前で Project settings フォルダーの下に保存できます。この場合、値は %CONNECT_FOLDER_SYNC%\m1G-M21Ca_o;northAmerica%Project Settings%Project に設定する必要があります。

  3. プロジェクト フォルダーまたは企業フォルダーを保存する場合は、[OK] をクリックします。
  4. モデルを閉じて再度開き、新しい企業フォルダーまたはプロジェクト フォルダーをアクティブにします。
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