正確になった解析モデルとその他の解析と設計の改良点

Tekla Structures
2018
Tekla Structures

正確になった解析モデルとその他の解析と設計の改良点

Tekla Structures 2018 では解析と設計に関して多くの重要な改良点があります。

解析モデルを作成する新しい方法

Tekla Structures で解析モデルを作成するときに使用される方法がバージョン 2018 で改良されました。解析部材はより正確に、自動的に接続され、ノードが正しい位置に作成されます。そのため、解析モデルがシンプルで明確になり、剛結リンクの数が抑えられ、解析モデルを手動で編集する必要性が減少します。たとえば、梁、柱、ブレースは、可能であれば複数のノードと剛結リンクではなく、単一の共通ノードを使用して接続できるようになりました。

物理モデル 解析モデル (2017i) 解析モデル (2018)

解析モデルを含む既存のモデルを Tekla Structures 2018 で開き、解析モデルをアクティブにする場合、 Tekla Structures ではこの新しい方法を使用して解析モデルが再作成されます。

Tekla Structures 2017i およびそれ以前のバージョンで使用されていた解析モデルの作成方法に戻す必要がある場合は、新しい XS_​AD_​ANALYSIS_​PLANES_​ENABLED 詳細設定を FALSE に設定します。この詳細設定は、モデル固有です。

解析モデルを使用した Tekla Structural Designer へのエクスポート

Tekla Structures 解析モデルを物理モデルと共に Tekla Structural Designer にエクスポートできるようになりました。これまで、Tekla Structural Designer にエクスポートできるのは物理モデルだけでした。Tekla Structural Designer は解析モデルを物理モデルと共にインポートするようになり、結果のモデルと解析結果がより正確になりました。

たとえば、 Tekla Structures ではコンクリート梁を参照軸に対してさまざまな方法で配置できます。それでもなおコンクリート梁は Tekla Structural Designer モデルのコンクリート柱に接続されています。

解析部材の始点拘束と終点拘束も Tekla Structural Designer にエクスポートされるようになりました。

Tekla Structural Designer に解析モデルをエクスポートするには、次のいずれかを実行します。

  • [ ファイル ] メニューの新しい エクスポートファイル > Tekla Structural Designer と解析モデル コマンドを使用します。
  • Tekla Structural Designer を解析モデル用の解析アプリケーションとして設定している場合、[ 解析モデル ] ダイアログ ボックスで解析モデルを選択し、[ エクスポートファイル ] をクリックします。

詳細については、「 Tekla Structures から解析アプリケーションへのモデルのエクスポート 」を参照してください。

Tekla Structuresと解析アプリケーションのリンク 」も参照してください。

Tekla Structural Designer から解析モデルへの変更のインポート

Tekla Structures 2018 では、Tekla Structural Designer で加えた変更をインポートし、対応する解析モデルを Tekla Structures で更新できるようになりました。Tekla Structural Designer で作成した新しい部材、プロファイルおよび材質の変更、および解析結果をインポートすることができます。

Tekla Structural Designer で対応する部材を移動した場合でも、 Tekla Structures の既存の部材の位置は変更されません。

Tekla Structural Designer から変更をインポートするには、 Tekla Structures の [ 解析モデル ] ダイアログ ボックスで解析モデルを選択し、 [結果取得] をクリックします。

詳細については、「 ana_import_from_Tekla_Structural_Designer.html#TASK_1E0098B1ECD24E84A6F07A082F20B20A 」を参照してください。

解析モデル内容とフィルターの定義の改良点

解析モデル内容 の定義方法が改良されました。メイン解析部材と副解析部材の 解析モデル フィルター も改良され、ブレース用の新しいフィルターが追加されました。解析モデル フィルターは選択フィルターをベースとしています。物理モデルまたは解析モデルの内容に変更があったときに、解析モデル フィルターを再適用する必要はなくなりました。

副部材とブレース部材の自動認識は、トラスなどの一部のケースでのみ動作します。

[解析モデル プロパティ] ダイアログ ボックスの変更点

[ 解析モデルプロパティ ] ダイアログ ボックスでは、[ 解析モデル ] タブの設定が改良され、整理されました。

  • 設定の順序は次のように変更されています。

  • Tekla Structural Designer が [ 解析アプリケーション ] リストでオプションとして使用できるようになりました。
  • [作成方法] は [ 解析モデル内容 ] に名称変更され、デフォルト値は [選択部材と荷重] となります。
  • [フィルター] は [ 解析モデル フィルター ] に名称変更されました。
  • 新しい設定 [ ブレースの部材フィルター ] が追加されました。

    [ ブレースの部材フィルター ] を使用して、どのインクルード済み解析モデル オブジェクトがブレースと見なされるかを定義します。解析モデルを作成するときは、ブレースの解析節点をメイン解析部材の解析節点よりも自由に移動させることができます。

  • [ 副部材フィルター ] が更新されました。 [副部材を自動検出] オプションおよび [全部材に再適用] チェック ボックスが削除されています。

    [ 副部材フィルター ] を使用して、どのインクルード済み解析モデル オブジェクトが副解析部材と見なされるかを定義します。解析モデルを作成するときは、副解析部材の節点をメイン解析部材の節点よりも自由に移動させることができます。

  • [その他の設定] ボタンが削除され、すべての設定が直接表示されるようになりました。
  • [副部材のデフォルト保持角度] 設定は削除されました。

解析モデルプロパティの詳細については、「 解析モデルプロパティ 」を参照してください。

解析クラスおよび節点の色の変更点

Tekla Structures 2018 では、ブレース用の新しい 解析クラス が追加されました。
  • ブレース
  • ブレース - トラス
  • ブレース - トラス 圧縮のみ
  • ブレース - トラス 引張りのみ
  • ブレース - 無視

解析部材クラスの色が次のように変更され、解析モデル内で異なる部材を認識しやすくなりました。

  • メイン解析部材の は赤色から青色に変更されました。
  • 新しい ブレース クラスは緑色です。

    ブレース - トラスブレース - トラス 圧縮のみ 、および ブレース - トラス 引張りのみ は、対応するメイン クラスと同じ色です。

  • 副部材 は赤色からオレンジ色に変更されました。

使用する解析アプリケーションがすべての解析クラスまたはすべての色をサポートしていない場合があるので注意してください。

解析節点の色 の階調が少し変わりました。

解析部材および節点番号の表示

モデル ビューで、 解析部材と節点番号の表示と非表示 が簡単になりました。これまでは、 XS_​AD_​MEMBER_​NUMBER_​VISUALIZATION および XS_​AD_​NODE_​NUMBER_​VISUALIZATION 詳細設定を使用する必要がありました。現在はリボンの [ 解析 ] タブに移動して、次の項目をクリックできます。

  • [部材番号] で部材番号のオン/オフを切り替える
  • [節点番号] で節点番号のオン/オフを切り替える

解析オブジェクト用の新しい個別の選択ツールバー

解析モデル オブジェクトの選択スイッチに個別のツールバーが追加されました。

ツールバーを表示または非表示にするには、[ 解析 ] タブに移動し、 [解析ツールバー] をクリックします。

または、[ クイック起動 ] を使用できます。「 解析選択 」と入力し、表示されたリストにある [解析選択ツールバー] チェック ボックスをオンまたはオフにします。

その他のユーザー インターフェイスの変更点 」も参照してください。

解析と設計のその他の改良点と修正点

  • 解析アプリケーションとして Tekla Structural Designer を使用する場合、解析モデルの鉄骨部材の間に剛結リンクは作成されません。鉄骨部材の場合は、 [無効-部材軸を保持: デフォルト] オプションが自動的に [ 解析モデルプロパティ ] ダイアログ ボックスの [ 剛結リンク ] 設定に使用されます。コンクリート部材の場合は、 [有効] オプションを使用することができます。

    また、メインの鉄骨部材の解析プロパティの [部材軸を保持][いいえ] に設定されます。

  • 物理モデルの部材間にジョイントがある場合、部材が物理モデルと干渉しない場合であっても、解析モデルでも部材が接続されるようになりました。これまでは、1 つの副部材のみとのジョイントではこのようなことが起こりませんでした。
  • Tekla Structures で解析モデルを作成するときに、物理部材を伸ばすまたは短縮するフィッティングが考慮され、解析部材が正しく接続されるようになりました。
  • [情報] コマンドを使用して解析節点をチェックすると、節点の座標はローカル (作業平面) 座標系に従って表示されるようになりました。
  • Tekla Structures により、スラブ、パネル、および壁が平面であることが確認され、1 つ以上の解析節点が平面上にない場合は警告が表示されます。 [オブジェクト情報を表示] ダイアログ ボックスに、それらの節点から平面までの距離が表示されます。
  • トラス (S78) コンポーネントで作成された垂直および斜めの部材は、解析ではブレースとして扱われるようになりました。
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