Jpヘビーブレースコーナーガセット
目 次
概要
本コンポーネントはパイプやH形鋼など高剛性のブレース材と柱材とH大梁との間にコーナーガセットプレートタイプの接合詳細を作成するものです。
ガセットプレートとブレース材の継手は、パイプの場合十字プレートのスプライス継手、H形鋼の場合H断面のスプライス継手を生成することができます。なお、ブレースは1本です。
継手は Jpスプライス コンポーネントを呼び出します。
対応バージョン:Tekla Structures 2023 以降
コンポーネントバージョン:2.0(2025年2月リリース)
※ コンポーネントのバージョン番号の整数桁(Ver.4.0 であれば4の桁)が違うとパラメータファイルの互換性はありません。混在しないようご注意ください。
小数点以下の数値は修正版を意味し、少数点以下の数値だけが異なるバージョン間ではパラメータファイルの互換性があります。(修正箇所を除いて)
※ JpスプライスはVer.3.0 以降を事前にインストールしてください
生成されるオブジェクト
・ガセットプレート関連
・ガセットプレート(スプライス継手の接合用)
・ガセットスチフナ(中央部(複数)と左右縁部)
・梁スチフナ(中央部(複数)と左右縁部)
・H柱スチフナ、角鋼管柱内ダイアフラム
・ブレース関連
・ブレース材のフィッティング
・ガセットリブ(スプライス継手の接合用)
・コネクションプレート
・コネクションリブ
・キャッププレート
・Jpスプライス コンポーネント(スプライスプレート、フィラープレート、ボルトなど)
・各部材の工場溶接
・ガセットと大梁
・ガセットリブとガセット
・コネクションリブとコネクション
・コネクションプレートとブレース
・キャッププレートとブレース
・キャッププレートとコネクションプレート/コネクションリブ
・ガセットスチフナとガセット/大梁
・梁スチフナと大梁
・H柱スチフナ、角鋼管柱内ダイアフラムと柱
実行方法
- アプリケーションとコンポーネントのパネルからJpヘビーブレースコーナーガセットを選択します。
- メイン部材(柱または柱前面板)を選択します。柱前面板は梁プレート(PL20*300 などで2点指示で作成するもの)に限られます。ポリゴンプレートは不可です。
- 続いて副部材(ブレース材)を1つ選択します。
続いて大梁を選択します。大梁が板組の場合はガセットが取り付くフランジ板を選択してください。フランジ板はポリゴンプレート、梁プレートのどちらも可能です。
大梁が鋼管柱-梁 仕口部(21) などのコンポーネントによって作成されている場合、コンポーネントオブジェクトの選択スイッチを押して、大梁部材が直接選択できるようにして、大梁部材を選択して下さい。Image
- 柱に通しダイアフラムがあり、ガセットスチフナが通しダイアに接続する場合は、4番目にそのダイアフラム部材を選択してください。(Ver.2.0で追加)
- ホイールボタンを押すと継手が作成されます。
メイン部材・副部材のプロファイル:
メイン部材(柱):角鋼管、H形鋼、梁プレート(板組ボックス、板組Hのガセット接続板)
副部材1(ブレース):丸パイプ、角パイプ、H形鋼
副部材2(大梁):H形鋼、梁プレート(板組Hのガセット接続板)
部材の配置:
ガセット面は副部材1(ブレース)中心軸を含む面でメイン部材の軸に平行な面になります。
ガセット タブ
以降、[ ]内の値はデフォルト値を表します。デフォルト値がオプションとなっているのは、Tekla Structuresの メニュー > 設定 > オプション で指定されている内容に従います。
(1) ガセット:板厚[12mm]、マーク[オプション]、材質[オプション]、名前[ガセット]、仕上げ [ ]
ガセット角度は大梁側をθ1、柱側をθ2とします。
(2)(4) 角度(degree):[15]
(3)(5) 角度計算タイプ :{[垂線を考慮] / 入力角優先}
- 入力角優先を指定
- 垂線角度>入力角度 で垂線を考慮を指定
- 垂線を考慮を指定しても 入力角度>垂線角 のときは入力角度を使用
(6)(8)(10) スカラップタイプ:{なし/直線/凹円弧/凸円弧/矩形}
- デフォルト[なし]
- なし
- 直線カット:x,y
- 凸円弧:r
- 凹円弧:r
- 矩形カット:x,y,r
(7)(9)(11) スカラップサイズ:x[0mm]:水平長さ、y[0mm]:垂直長さ、r[0mm]:円弧半径
(12) ブレースのガセットリブ端の梁フランジ面および柱面からの必要最小離れ距離(どちらも確保するようにブレースのフィッティング位置を調整します)
ブレース タブ
(1)~(4)はガセットリブ、コネクション、コネクションリブ、キャップ の
各板材:板厚[12mm]、マーク[オプション]、材質[オプション]、名前[ガセット]、仕上げ[ ]
<Jpスプライスコンポーネントのプロパティファイル名>
(5) パイプブレース(丸・角鋼管)のときのプロパティファイル名 [ ]
(6) Hブレースのときのプロパティファイル名 [ ]
※プロパティファイル名の初期値は空です。空の場合継手は作られませんがガセットやリブプレートは作成されます。
<パイプブレース用>
(7) ガセットリブテーパー処理長さ[50mm]
(8) ガセットリブテーパー処理幅[50mm]
(9) ガセットリブ幅[ガセット仕口幅 ー ガセットリブ板厚/2]<Hブレースと共有>
(10) コネクションリブ幅
(11) コネクションがパイプブレースに割込む際の切欠き角の軸直角方向の隙間
(12) コネクションがパイプブレースに割込む際の切欠き角の軸方向の隙間
(13) コネクションがパイプブレースに割込む際の切欠き角の角のラウンド半径
(14) コネクションのテーパー処理長さ[50mm]
(15) コネクションのテーパー処理幅[20mm]
(16) ガセットの仕口部幅(1/2)[150mm]<Hブレースと共有>
(17) コネクションの仕口部幅(1/2)[150mm]
(18) ガセットリブ長さ[250mm]
(19) キャップ外径とブレース径の差[6mm]:マイナス値にすることでブレースサイズより大きいキャップを生成できます。
(20) ガセット長さ(ブレース軸線上)[400mm]
(21) 継手仕口部隙間(ブレース軸線上)[10mm]
(22) コネクション長さ(割込み部を含まない、ブレース軸線上)[300mm]
(23) コネクション割込み部長さ(ブレース軸線上)[150mm]
<Hブレース用>
(24) ガセットリブAテーパー処理長さ[50mm]
(25) ガセットリブAテーパー処理幅[50mm]
(26) ガセットリブA長さ[250mm]
(27) ガセットリブ間隔(リブ外面間隔の1/2)[Hブレース材の高さの1/2]
(28) ガセットリブB長さ[250mm]
(29) ガセット長さ(ブレース軸線上)[400mm]
(30) 継手仕口部隙間(ブレース軸線上)[10mm]
(31) ガセットリブBテーパー処理長さ[50mm]
(32) ガセットリブBテーパー処理幅[50mm]
<ガセット長さの決定方法>
ガセット長さ(ブレース軸線上で仕口から梁・柱面までの長さ)は次の3種類の入力値から決まります。
- リブ長さ
- リブ端の空き(梁・柱面との空き)
- ガセット長さ
リブ長さとリブ端の空きを確保して仮のガセット長さを計算します。それより入力したガセット長さが長い場合は入力値がガセット長さになり、逆に短い場合は、仮のガセット長さが適用されます。
したがって、ガセット長さを入力値どおりにしたい場合は、リブ端の空きを0にして、リブ長さをガセット長さより短くすることで、ガセット長さが入力値どおりになります。
スチフナ タブ
(1)~(3)はスチフナ の
各板材:板厚[12mm]、マーク[オプション]、材質[オプション]、名前[ガセット]、仕上げ [ ]
(4) スチフナ3(ガセット中央)の位置オフセット(梁軸方向)[0mm]
(5) スチフナ3の枚数 [1枚]
(6) スチフナ3の間隔 [100mm]
(7) スチフナ1の有無 [作成する]
(8) スチフナ2の有無 [作成する]
(9) スチフナ3の有無 [作成する]
<スチフナ1> ガセット縁のうち第1副部材が傾斜している側に取りつく補剛材
(10) 高さ [150mm]
(11) 幅 [120mm]
(12) テーパー長さ[50mm]
(13) テーパー幅[50mm]
<スチフナ2> ガセット縁のうち第1副部材が傾斜している側の反対側に取りつく補剛材
(14) 高さ [150mm]
(15) 幅 [120mm]
(16) テーパー長さ[50mm]
(17) テーパー幅[50mm]
<スチフナ3> ガセット中央に配置される補剛材
(18) 高さ [150mm]
(19) 幅 [60mm]
(20) テーパー長さ[50mm]
(21) テーパー幅[30mm]
(22) スカラップタイプ [直切]:{なし/直切/凸円弧/凹円弧}
(23) スカラップサイズ [10mm]
<スカラップタイプ>
- デフォルト
- なし
- 直線カット
- 凸円弧
凹円弧
梁スチフナ タブ
(1), (2)は梁スチフナ1 および 梁スチフナ2(Ver.2.0で追加)の
各板材:板厚[12mm]、マーク[オプション]、材質[オプション]、名前[ガセット]、仕上げ [ ]
<梁側ガセット端> 梁側のガセット端位置の梁補剛材
(3) 梁側の梁スチフナのオフセット量(梁軸方向)[0mm]
(4) 梁側の梁スチフナの有無 [作成する]
<ガセット中央> ガセット中央に対応する梁補剛材
(5) ガセット中央部の梁スチフナのオフセット量(梁軸方向)[0mm]
(6) ガセット中央部の梁スチフナの有無 [作成する]
(7) ガセット中央部の梁スチフナの枚数 [1枚]
(8) ガセット中央部の梁スチフナの間隔 [100mm]
(9) 梁ウエブ側スカラップサイズの入力値タイプ:{ウエブラウンド値に付加する値/スカラップサイズ}[ウエブラウンド値に付加する値]
(10) 上辺隙間 [0mm]
(11) 下辺隙間 [0mm]
(12) ウエブ辺隙間 [0mm]
(13) 外辺隙間(フランジ端からの控え) [0mm]
(14) 外側スカラップタイプ [なし]:{なし/直切/凸円弧/凹円弧}
(15) 外側スカラップサイズ [0mm]
(16) ウエブ側スカラップタイプ [凸円弧]:{なし/直切/凸円弧/凹円弧}
(17) ウエブ側スカラップサイズ [H梁のウエブラウンドサイズ]
<スカラップタイプ>
- デフォルト
- なし
- 直線カット
- 凸円弧
凹円弧
柱スチフナ/ダイアフラム
(1) は 柱スチフナ/ダイアフラム の
各板材:板厚[12mm]、マーク[オプション]、材質[オプション]、名前[ガセット]、仕上げ [ ]
(2) 作成の有無 [作成する]
(3) オフセット量(柱軸方向)[0mm]:基準点は柱面のガセット端位置
<柱がH断面の場合、スチフナ>
(4) 柱ウエブ側スカラップサイズの入力値タイプ:{ウエブラウンド値に付加する値/スカラップサイズ}[ウエブラウンド値に付加する値]
(5) ウエブ側スカラップタイプ [凸円弧]:{なし/直切/凸円弧/凹円弧}
(6) ウエブ側スカラップサイズ [H梁のウエブラウンドサイズ]
(7) 外側スカラップタイプ [なし]:{なし/直切/凸円弧/凹円弧}
(8) 外側スカラップサイズ [0mm]
(9) ウエブ辺隙間 [0mm]
(10) 外辺隙間(フランジ端からの控え) [0mm]
(11) フランジ辺隙間 [0mm]
(12) フランジ辺隙間 [0mm]
<スカラップタイプ>
- デフォルト
- なし
- 直線カット
- 凸円弧
凹円弧
<柱が角形断面の場合、内ダイアフラム>
(13) ダイアフラム外周隙間 [0mm]
(14) ダイアフラム角のスカラップタイプ(4つとも同じ処理) [凸円弧]:{なし/直切/凹円弧/凸円弧/方形}
(15) スカラップサイズ [0mm]
(16) スカラップサイズ半径 [0mm]
(17) 4隅孔位置(ダイアフラム辺からの距離)
(18) 4隅孔径 [0mm]
(19) 中央孔径 [0mm]
※孔径が0mmのとき孔は作成されません。
<スカラップタイプ>
- デフォルト
- なし
- 直線カット:x=y
- 凹円弧:r
- 凸円弧:r
- 方形カット:x=y, r
溶接1 タブ
ここでは主にガセットに関連する溶接を指定します。
各溶接箇所のサイズ・タイプ・角度・ギャップ(ルートギャップ)を指定できます。各デフォルト値は以下の太字の値です。
表サイズ:溶接サイズ [隅肉のとき6mm / レ形のとき板厚 / K形のとき(板厚-2mm)]
裏サイズ:溶接サイズ [隅肉のとき6mm /レ形のとき板厚 / K形のとき(板厚-2mm)]
表タイプ(選択:なし/隅肉/レ形/レ形+隅肉)
裏タイプ(選択:なし/隅肉/レ形/レ形+隅肉)
表角度:開先角度 [開先なしのとき0度/開先ありのとき35度]
裏角度:開先角度 [開先なしのとき0度/開先ありのとき35度]
ギャップ(ルートギャップ)[0mm]
(1) ガセットと柱 [両面6mm隅肉]
(2) ガセットと大梁 [両面6mm隅肉] (Ver.2.0で追加)
(3) 大梁側ガセット縁スチフナとガセット [両面6mm隅肉]
(4) 大梁側ガセット縁スチフナと大梁 [両面6mm隅肉]
(5) 柱側ガセット縁スチフナとガセット [両面6mm隅肉]
(6) 柱側ガセット縁スチフナと柱 [両面6mm隅肉]
(7) ガセット中央スチフナとガセット [両面6mm隅肉]
(8) ガセット中央スチフナと大梁 [両面6mm隅肉]
(9) 端部梁スチフナと大梁ウエブ [両面6mm隅肉]
(10) 端部梁スチフナと大梁上フランジ [両面6mm隅肉]
(11) 端部梁スチフナと大梁下フランジ [両面6mm隅肉](Ver.2.0で追加)
(12) 開先表現[はい]:開先表現を はい にすると、開先・ギャップなどが部材形状に反映されます。 (注)ただし、#3,#5, #C, #D はソリッドエラーなどの要因となるため対象外です)
後述:(参考)ルートギャップと開先を部材形状に反映させる
注)レ型+隅肉 タイプ
レ型+隅肉 タイプを選択することができます。なお隅肉のサイズはレ型のビードエッジラインが共通になるように決まります。
溶接2 タブ
ここでは大梁・柱の補剛材の溶接およびブレース材に関連する溶接を指定します。
(12) 梁スチフナと大梁ウエブ [両面6mm隅肉] (Ver.2.0で追加)
(13) 梁スチフナと大梁上フランジ [両面6mm隅肉] (Ver.2.0で追加)
(14) 梁スチフナと大梁下フランジ [両面6mm隅肉] (Ver.2.0で追加)
(15) 柱スチフナとH柱ウエブ [両面6mm隅肉]
(16) 柱スチフナとH柱フランジ(ブレース側) [両面6mm隅肉]
(17) 柱スチフナとH柱フランジ(ブレースと反対側) [両面6mm隅肉](Ver.2.0で追加)
(A) ガセットリブとガセット [両面6mm隅肉]
(B) コネクションリブとコネクション [両面6mm隅肉]
(C) コネクション・コネクションリブとブレース割込み部 [片面6mm隅肉]
(D) キャップとブレース材 [片面6mm隅肉](開先・ギャップは作成できません)
参考)ルートギャップと開先を部材形状に反映させる
モデルビューの各溶接プロパティの開先を自動にすることで、ルートギャップと開先を部材形状に反映させることができます。本コンポーネントでは対象となる溶接プロパティ内の開先を自動に設定しています。
この状態で単品図・NCデータを作成すると、製作形状に開先形状やルートギャップが反映されます。
補足事項
Jpヘビーブレースガセットのページに Jpスプライス継手のパラメータ設定に関する情報がございますのでご覧ください。
以上、