図面の色と線における機能強化
Tekla Structures 2025 では、部材と隣接部材の個々の図面オブジェクト要素に特定の色と線タイプを定義できるため、必要な仕様に従って必要なプロジェクト図面を効率的に作成することができます。断面線、自部材陰線、中心線を図面で出力する方法、および PDF で図面の線の端部形状を制御する方法を正確に指定できるようになりました。図面の色には、他にも機能強化があります。
図面の部材線へのコントロールの追加
断面線、自部材陰線、中心線の色とタイプの新しいプロパティ
オブジェクト レベルおよびビュー レベルのプロパティを通じて、図面内の断面線、自部材陰線、中心線の色とタイプを制御できるようになりました。一般図では、図面レベルのプロパティを通じてこれらのプロパティを管理することもできます。新しいライン プロパティでは、標準色とカスタム RGB 色の両方がサポートされています。
プロパティ パネルの部材プロパティにおける新しいライン コントロール:

ビュー レベルおよび図面レベルの部材プロパティにおける新しいライン コントロール:

異なる色とタイプで表示された図面線の例:

詳細なオブジェクト レベル設定を通じて新しいライン プロパティを適用することもできます。

新しいライン プロパティが必要な理由
- 断面線の色は、部材の材質によって異なる設定が必要な場合があります。選択した色は、出力の断面線の太さにも影響を与えます。
- 部材には、タイプや太さが異なる中心線が必要な場合があります。
- リセス、埋込み材、他の非表示オブジェクトを明確に区別するため、陰線と自部材陰線を別個に制御する必要が生じることがあります。
以前は、部材と隣接部材の可視線、陰線、参照線の色とタイプを別個に制御することしかできず、断面線、自部材陰線、中心線の色とタイプは制御できませんでした。[陰線] プロパティは、自部材陰線にも影響を与えます。さらに、中心線のタイプと断面線の色を調整するには、詳細設定を使用する必要がありました。以下に示す詳細設定は引き続きサポートされており、図面、ビュー、またはオブジェクト レベル プロパティの新しいライン プロパティ セットよりも優先されます。
DWG/DXF/DGN エクスポート表示フィルターで使用可能な自部材陰線
新しいオプション [自部材陰線] が [図面をDWG/DXF/DGNとしてエクスポート] ダイアログの [表示フィルタリング] リストに追加され、自部材陰線を別のレイヤー/レベルにマッピングできるようになりました。

Open API のサポート
Open API で、図面部材と隣接部材の線の新しいプロパティがサポートされるようになりました ([断面線]、[自部材陰線]、[中心線])。
制限事項
次の機能は、新しいライン プロパティをサポートしていません。
- 古い製作図プロパティ ダイアログ (
XS_USE_OLD_DRAWING_CREATION_SETTINGSがTRUEに設定されている場合に表示されます) - 以前のオブジェクト レベルの図面部材プロパティ ダイアログは、[クイック起動] からのみ使用できます。
- コンテキスト ツールバー
図面の色における他の更新
図面の色について詳しくは、「図面内の色」をご覧ください。
古い図面における特殊な色のハッチングの印刷
Tekla Structures 2024 では、[白黒] または [Tekla グレースケール] 印刷カラー モードを使用して、2024 より前のバージョンの Tekla Structures で作成された図面を印刷すると、古い図面のハッチングで使用されていた特殊な色が黒で印刷され、重なっている線とマークがすべて非表示になります。以前のバージョンの Tekla Structures では、詳細設定 XS_HATCH_SPECIAL_COLOR_R、XS_HATCH_SPECIAL_COLOR_G、XS_HATCH_SPECIAL_COLOR_B を使用してハッチングに特殊な色を定義することができました。この問題は修正され、すべての印刷カラー モードで特殊な色が正しく表示されるようになりました。
この改良点は、Tekla Structures 2024 SP1 で既に導入されていました。
図面のカラーパレット - [非表示] と [なし] の新しい表示位置
[非表示] および
[なし] 色オプションは、カラー パレットの標準カラー リストの最後に配置されるようになりました。以前は、先頭にありました。[非表示] と [なし] は、カラー パレットを開いた場所によってカラー パレットに表示される場合と表示されない場合があります。以前は、他の色の位置が変化することがありました。色の位置が変化しなくなったため、より効率的に色を選択できるようになりました。

この改良点は、Tekla Structures 2024 SP1 で既に導入されていました。
新しいカラー パレット ファイルを作成するための新しいボタン
カラーパレットには、新しい空のカラー パレットを作成するための新しいボタン
新しいカラーパレットファイルを作成する があります。新しいボタンはカラー パレット ダイアログの下部にあり、カラー編集モードでアクティブになります。

- この 新しいカラーパレットファイルを作成する ボタンをクリックすると、カラーリストからすべてのカスタムカラーが削除され、カラー パレット ファイル名が消去されるため、新しいパレットを最初から作成することができます。
- カラーリストが誤って空にならないように、カラーパレットダイアログに未保存の変更がある場合、このボタンは無効になります。
この改良点は、Tekla Structures 2024 SP2 で既に導入されていました。
カラー パレットの状態が共有されるようになりました
カラー パレットの状態、つまりカラー パレットの表示モード (グリッドまたはリスト) と、および 標準 と カスタム の色カテゴリーの折りたたまれた状態や展開された状態が、カラー パレットを開くことができるすべての場所間や、カラー編集モードと選択モードの間で共有されるようになりました。カラー パレットの状態も Tekla Structures セッション間で共有され、Tekla Structures を再開したときのカラー パレットの状態が自動的に表示されます。
この改良点は、Tekla Structures 2024 SP2 で既に導入されていました。
パターンラインへの新しいカスタムRGBカラー
[ パターンライン] コマンドを使用して図面に追加するパターン ラインにも、カスタム RGB カラーを適用できるようになりました。パターン ライン は、簡単に作成して図面に適用できる特殊な複雑な線です。パターン ラインを追加するときにカスタム カラーを使用するには、[パターンラインプロパティ] で 参照ボタン
をクリックして、カスタム カラー パレットから色を選択します。

[ パターンライン] コマンドを使用して図面にパターン ラインを追加するときはカスタム カラーを選択することができますが、[パターンラインエディタ] でライン パターンを作成するときは選択することができません。
この改良点は、Tekla Structures 2024 SP3 で既に導入されていました。
パターン ラインについて詳しくは、「図面でのパターン ラインの作成および追加」をご覧ください。
PDF で線の端部形状を調整する
PDF図面では、線の角が必ずしも図面標準を満たしていませんでした。
新しい詳細オプション XS_DRAWINGS_LINE_CAP_STYLEを使用して、ラインキャップのスタイルを定義して、PDF印刷出力の線端の形状を調整できるようになりました。以下のいずれかの値を入力します。
0 = 線は角で途切れます。これはデフォルト値であり、線の端を印刷する従来の方法です。
1 = 丸い角 (推奨)
2 = 長方形の角
XS_DRAWINGS_LINE_CAP_STYLE は、[詳細設定] ダイアログの [印刷] カテゴリーにあります。
値0:

値1:

値2:

この改良点は、Tekla Structures 2024 SP4 で既に導入されていました。