Tekla Model Sharing で権限、オブジェクト ロック、図面ロックを設定する
権限、オブジェクト ロック、および図面ロックを使用すると、他のユーザーによる共有モデル オブジェクトや共有図面の誤った変更を防止できます。また、他のユーザーによる特定の属性、ファイル、および設定へのアクセスを管理できます。
権限を設定する
モデルを作成したユーザー、または同じ組織のすべてのユーザーは、権限 を使用してモデルへの特定のアクセス権限を制御できます。権限を使用することにより、特定のユーザーや組織がモデルを変更できないように制限することができます。実際には、モデルの権限は privileges.inp ファイルを通じて制御されます。
Tekla Model Sharing での特権の設定は、マルチユーザー モードでの特権の設定と同じように機能します。
privileges.inp ファイルを変更することで、次のアクセス権限を制御できます。
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ユーザー定義情報の変更
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オブジェクト プロパティまたは図面を変更するためのアクセス権。これは、オブジェクトまたは図面をロックおよびロック解除することで行います。
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ナンバリング設定 の変更
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標準ファイルの保存
アクセス権限を変更するには、次のようにします。
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モデルを閉じます。
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privileges.inpファイルを任意のテキスト エディタで開きます。
privileges.inp ファイルは通常、..\ProgramData\Trimble\Tekla Structures\<version>\environments\common\inp フォルダーにあります。ファイルの正確な場所は、環境ファイルのフォルダ構成によって異なることがあります。
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必要な設定を変更し、モデルフォルダにprivileges.inpファイルを保存します。
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モデルを開き直します。
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アウト を行い、権限情報を共有します。
[ロック] ユーザー定義情報 (UDA) と図面ロックを使用することで、使用中のモデルと図面が誤って変更されないようにすることができます。[ロック] ユーザー定義情報と権限を併せて使用して、モデルまたは図面を変更できるユーザーや組織を制御します。
オブジェクト ロックを設定する
権限を使用する以外に、[ロック] ダイアログ ボックスを使用して、製品、キャスト ユニット、モデル オブジェクトをロックし、オブジェクトが誤って変更されたりナンバリングされたりするのを防ぐことができます。これは、複数の組織が同じ共有モデルを操作する際に、作成した製品、キャスト ユニット、およびモデル オブジェクトが変更されないようにする場合に便利です。
組織ロックは、製品、キャスト ユニット、およびモデル オブジェクトを、特定の組織の従業員以外のユーザーが変更できないようにするロックです。製品、キャスト ユニット、モデル オブジェクトは、[オブジェクトロック] ダイアログ ボックス ([管理] > [ロック]) で、[他のユーザー用] にロック済みとしてマークされます。ロックには [製品] オプションを使用することをお勧めします。これは製品内のオブジェクトの編集も防止します。
組織の情報は、Trimble Identityではなく、Windows のユーザー アカウントに基づいています。
XS_OBJECTLOCK_DEFAULT
詳細設定を使用して ORGANIZATION
にデフォルトのロック状態を設定し、製品、キャスト ユニット、およびモデル オブジェクトが作成時に自動的に [他のユーザー用] にロックされるようにすることをお勧めします。
デフォルトの組織ロック状態の設定
新しい製品やキャスト ユニットはすべて、作成時にデフォルトのロック状態を自動的に設定できます。デフォルトのロック状態を設定するには、XS_OBJECTLOCK_DEFAULT 詳細設定を使用します。デフォルトのロック状態は、ORGANIZATION
または NO
です。モデルを共有し始めると、ロック状態が未設定のすべての製品およびキャストユニットに、デフォルトのロック状態が設定されます。
デフォルトの組織ロック状態を設定するには、次のようにします。
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[ファイル] メニューで、 をクリックします。
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XS_OBJECTLOCK_DEFAULT 詳細設定を
ORGANIZATION
に設定します。 -
[OK] をクリックします。
新しい製品とキャスト ユニットは所属する組織のためにロックされ、[オブジェクトロック] ダイアログ ボックスでのロック状態は [他のユーザー用] になります。所属する組織のユーザーは、製品やキャスト ユニットのオブジェクトを変更できます。所属する組織以外のユーザーには、ロック状態は [自チーム用] として表示されます。
ロック状態の変更
ロック状態を変更するには、次のようにします。
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[管理] タブで [ロック] をクリックします。
[オブジェクトロック] ダイアログ ボックスが開きます。
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モデル内のオブジェクトを選択します。
製品およびキャスト ユニット レベル、またはモデル オブジェクト レベルでオブジェクトを選択できます。[製品] および [すべてのオブジェクトタイプ] オプションと [サブオブジェクト] チェック ボックスを使用して、選択のレベルを定義します。
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[オブジェクトを追加] ボタン をクリックし、製品、キャスト ユニット、またはオブジェクトをリストに追加します。
オブジェクトがリストに表示されると、その [オブジェクトタイプ]、[名前]、[ロック状態] を確認できます。
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ロックの状態を変更するには、リストまたはモデルから製品またはオブジェクトを選択し、ダイアログ ボックスの下部にあるリストから新しいロック値を選択して、[設定] をクリックします。
ロック状態が変更されます。
オブジェクト ロックの設定状況 ロック対象 製品が [組織] に ([ロック状態] ステータスは [他のユーザー用])、製品内のオブジェクトが [いいえ] に設定されている。
製品と製品内のオブジェクトが所属する組織のためにロックされ、所属する組織のユーザーが製品または製品内のオブジェクトを変更できます。
他の組織のユーザーは、製品または製品内のオブジェクトを変更できません。製品と製品内のオブジェクトは、モデルに緑色で表示されます。
製品が [はい] に、製品内のオブジェクトが [いいえ] に設定されている。
製品と製品内のオブジェクトはすべてのユーザーを対象としてロックされ、どのユーザーもオブジェクトを変更できません。
製品と製品内のオブジェクトは、モデルに赤色で表示されます。製品またはオブジェクトの削除、変更、ナンバリングを行うことはできません。
製品が [いいえ] に、製品内のオブジェクトが [いいえ] に設定されている。
製品または製品内のオブジェクトはロックされておらず、すべてのユーザーがオブジェクトを変更できます。
製品と製品内のオブジェクトは、モデルに緑色で表示されます。
リストをクリアするには、[データをリセット] ボタン をクリックします。
ロック状態を表示するには、レポート テンプレートのテンプレート フィールド ASSEMBLY.OBJECT_LOCKED、ASSEMBLY.OWNER_ORGANIZATION、ASSEMBLY.LOCK_PERMISSION を使用します。
また、オブジェクト表現を使用してロックをビジュアル化することもできます。オブジェクト表現を共有すると、プロジェクトの他のメンバーもロック状態を視覚的に確認できます。
図面ロックを設定する
図面をロックして、編集できるように図面を予約し、図面が変更されないようにすることができます。図面がロックされていて、ロックが共有されている場合は、スナップショットを代わりに使用します。
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すべてのモデル変更のインを行います。
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[ドキュメント管理] を開き、直接編集 を有効にして、図面の横にある [ロック] 列をクリックします。
[ドキュメント管理] の [ロック元] 列には、図面をロックしたユーザーが表示されます。
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アウトを行って、図面ロック情報を共有します。
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図面を編集するために、図面ロックを開きます。
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必要に応じて、図面を編集します。
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アウトを行って、更新した図面を共有します。
図面のロックを解除することもできる点に注意してください。ただし、図面のロック解除が、privileges.inp ファイル内の特定のユーザーだけに限定されている場合はこの限りではありません。図面のロックが解除され、ユーザーが変更をアウトすると、元のロック オーナーによる変更が上書きされます。
privileges.inp ファイルを使用して、図面編集へのアクセスを特定のユーザーのみに制限するには、objects.inp ファイルに各図面タイプの OBJECT_LOCKED
ユーザー定義情報 (UDA) を追加します。objects.inp
ファイルの OBJECT_LOCKED
属性は、[ロック] ユーザー定義情報 (UDA) が Tekla Structures ユーザー インターフェイスに表示されるかどうかを定義します。必要な図面を作成して編集した後、[ロック] ユーザー定義情報と [ドキュメント管理] のロックの両方を使用して図面をロックし、編集できないようにします。