joints.def ファイルでのジョイント プロパティの定義
joints.def ファイルには、さまざまなジョイント タイプの全般的なジョイント設定とジョイント固有の設定が含まれています。joints.def ファイルを使用すると、各ジョイント タイプのデフォルト プロパティを設定できます。Joints.def は、標準のテキスト エディタで開いて編集できるテキスト ファイルです。
Tekla Structures では、ジョイント ダイアログ ボックスに値がないプロパティについては、joints.def ファイルで定義された値が使用されます。ジョイント ダイアログ ボックスに値を手動で入力した場合、joints.def ファイルの値の代わりに手動で入力した値が使用されます。オートデフォルトも、joints.def ファイルで定義された値よりも優先されます。
Tekla Structures により joints.def ファイルがシステム フォルダーに保存されます。Tekla Structures は、joints.def ファイルを標準の検索順序 (モデル フォルダー、プロジェクト フォルダー、企業フォルダー、システム フォルダー) で検索します。
joints.def ファイルの使用方法
joints.def ファイルでは、さまざまなジョイント タイプの全般的なジョイント設定とジョイント固有の設定が別個のセクションに含まれています。joints.def ファイルは、標準のテキスト エディタを使用して変更することができます。
ファイルを変更する場合は、次のようにします。
- 絶対値または名前を入力してください。
- フィート・インチ記号を使用しないでください。
- プロファイルがプロファイル カタログにあることを確認します。
- ボルトがボルト カタログにあることを確認します。
- ファイルの先頭で測定単位を設定できます。
JOINTDEFAULT
行では、Tekla Structures が joints.def ファイルのデフォルト値を使用するか、システム デフォルト値を使用するかを定義できます。たとえば、次のとおりです。- 値
1
は、joints.def ファイルで定義されているデフォルト値が使用されることを意味します。 - 値
0
は、システム デフォルト値が使用されることを意味します。 - 行の先頭にある
//
文字は、その行がコメント行であることを示しています。これらの行の情報は、Tekla Structures により使用されません。
- 値
- プロパティに値
-2147483648
を入力すると、Tekla Structures が強制的に特定のプロパティにシステム デフォルトを使用するようになります。
ジョイント固有のプロパティ
クリップ アングル、ガセット プレート、エンド プレート、ガセット ジョイント、斜材ジョイントのプロパティは、別個のセクションにあります。各セクションの先頭はヘッダー行になっており、列ラベルが含まれています。たとえば、次のとおりです。
joints.def
ファイルに列を追加しないでください。ジョイント固有のセクションで Tekla Structures がプロパティを検出できない場合、一般デフォルト セクションでデフォルト プロパティが検索されます。
joints.def ファイルを使用するジョイント
次のジョイントで、joints.def ファイルが使用されます。
- 溶接されたガセット (10)
- ボルト ガセット (11)
- ブレーシング交差 (19)
- チューブ ガセット (20)
- チューブ交差 (22)
- 2 面サイド アングル止め (25)
- コーナー チューブ ガセット (56)
- コーナー ボルト付けガセット (57)
- ガセット ラップ付 (58)
- チューブ ガセット ラップ付 (59)
- ガセット クロス ラップ付 (60)
- コネクション ラップ付 (61)
- ガセット クロス (62)
- コーナー ガセット ラップ付 (63)
- スチフナー コネクション梁 (129)
- シアー プレート コネクション柱 (131)
- ボルト-モーメント コネクション (134)
- クリップ アングル (141)
- 両面エンド プレート (142)
- 両面クリップ アングル (143)
- エンド プレート (144)
- シンプル シアー プレート (146)
- 上部フランジへの溶接 (147)
- フィン プレート 3 (149)
- モーメント コネクション (181)
- スチフナー コネクション柱 4 (182)
- 完全デプス (184)
- フル デプス拡張 (185)
- スチフナー付 (186)
- スチフナーコネクション柱 3 (187)
- スチフナー付 (188)
- せん断プレート チューブ柱 (189)
- 折れ板 (190)
例: Tekla Structures による joints.def ファイルの使用方法
この例は、Tekla Structures が joints.def ファイルを使用してボルト ガセット (11) のボルト径や他のプロパティを計算する方法を示しています。
斜材の高さは 10 インチとします。Tekla Structures は、プロファイルの高さに基づいてボルト サイズとボルトの数を計算します。プロファイルの高さが 10 インチである BOLTHEIGHT
行が検索されます。
プロファイルの高さは 8.0
より高く、12.0
より低いため、Tekla Structures はプロファイルの高さが 8.0
の行を使用します。これにより、ボルト径が 0.75
に設定されます。
Tekla Structures は、ボルト径を使用してボルトと部材プロパティを割り当てます。ボルト径が 0.75
である DIAGBOLTPART
行が検索されます。
以下のプロパティ値が使用されます。
ボルト径 | 0.75 |
水平方向のボルト本数 | 2 |
水平方向の縁端距離 | 1.5 |
垂直方向の縁端距離 | 1.5 |
水平方向のボルト間距離 | 2.5 |
垂直方向のボルト間距離 | システム デフォルトが使用されます。 |
このジョイントでは、Tekla Structures によりコネクション プレートの厚さやアングル プロファイルのプロパティは使用されません。
joints.def ファイルの一般デフォルト
Tekla Structures は、ジョイント固有のセクションでジョイントのプロパティが見つからない場合に joints.def ファイルの一般デフォルトを使用します。
たとえば、クリップ アングルの場合、Tekla Structures は副部材の高さに基づいてボルト径とボルトの数を指定します。副梁が joints.def ファイルのクリップ アングル セクションの最高値より高い場合、Tekla Structures は一般デフォルトのデフォルト ボルト径を使用します。
joints.def ファイルの一般デフォルト セクションのプロパティは次のとおりです。
プロパティ | 説明 |
---|---|
boltdia | ボルト径 |
pitch | あるボルトの中心からの隣のボルトの中心までの距離 |
clipweld | 溶接サイズ |
angle-cc-inc | Tekla Structures により、ボルト間隔とウェブ厚を加算した値がこの値を使用して切り上げられます。US AISC 規格に準拠しています。 |
lprofgapinc | Tekla Structures により、アングル プロファイルのギャップがこの値を使用して切り上げられます。US AISC 規格に準拠しています。 |
lsize | アングル プロファイルのサイズ |
copedepth | ノッチ サイズ |
copelength | ノッチ サイズ |
boltedge | 縁端距離 |
webplatelen | ハンチ プレートの高さ (h) |
webplatewid | ハンチ プレートの幅 (b) |
beamedge | 梁端部とメイン部材の間のセットバック距離 |
knifeclr | 使用されなくなりました |
clipedge | ボルトの縁端距離 (クリップ アングルの場合のみ) |
gap | 使用されなくなりました |
shearplatethk | ガセット プレートの厚さ |
endplatethk | エンド プレートの厚さ |
shearweld | 溶接のサイズ |
cliplsize | アングル プロファイルのサイズ (クリップ アングルの場合のみ) |
flangecutclear | フランジ切断クリアランス |
slotsize | 長孔のサイズ |
clipslots | 長孔対象部材:
このプロパティは、[長孔部材] タブの [ボルト ] オプションです。 |
clip_attac | メイン部材と副部材に取り付けるクリップ アングル
このプロパティは、ボルトの位置が定義された [ボルト ] タブのボルト取り付けオプションです。 |
copedepth_inc | Tekla Structures により、ノッチ デプスがこの値を使用して切り上げられます。 |
copelength_inc | Tekla Structures により、ノッチ長さがこの値を使用して切り上げられます。 |
joints.def ファイルでのボルト径とボルト本数
joints.def ファイルの各ジョイント固有のセクションにある BOLTHEIGHT
行は、ジョイント タイプのデフォルトのボルト直径とボルト列数を示しています。
Tekla Structures では、以下のプロパティごとに、ジョイント タイプに基づいてボルト径とボルト本数が決定されます。
プロパティ | ジョイント タイプ |
---|---|
クリップ アングル | 副部材の高さ |
ガセット プレート | 副部材の高さ |
エンド プレート | 副部材の高さ |
ガセット ジョイント | アングル プロファイルの長さ |
斜材ジョイント | プロファイルの高さ |
クリップ アングル、ガセット プレート、エンド プレートのジョイント
Tekla Structures では、副部材の高さに基づいて、デフォルトのボルト径とボルト列数が垂直方向に計算されます。以下のプロパティを入力できます。
プロパティ | 説明 |
---|---|
name
|
BOLTHEIGHT
|
part
|
ANGLECLIP
|
sec.beam.height
|
あるボルト数を適用する副部材の最小高さ |
diameter
|
ボルト径。径がボルト カタログに存在している必要があります。 |
number_of_bolts
|
垂直方向のボルト本数 |
ガセット ジョイント
Tekla Structures では、アングル プロファイルの長さに基づいて、デフォルトのボルト径とボルト列数が水平方向に計算されます。以下のプロパティを入力できます。
プロパティ | 説明 |
---|---|
name
|
BOLTHEIGHT
|
part
|
GUSSET
|
lproflength または angleproflength
|
アングル プロファイルの長さ |
diameter
|
ボルト径。径がボルト カタログに存在している必要があります。 |
number_of_bolts
|
水平方向のボルト本数 |
斜材ジョイント
Tekla Structures では、プロファイルの高さに基づいて、デフォルトのボルト径とボルト列数が水平方向に計算されます。以下のプロパティを入力できます。
プロパティ | 説明 |
---|---|
name
|
BOLTHEIGHT
|
part
|
DIAGONAL
|
conn.pl.height または profileheight
|
プロファイルの高さ |
diameter
|
ボルト径。径がボルト カタログに存在している必要があります。 |
number_of_bolts
|
水平方向のボルト本数 |
joints.def ファイル内のボルト プロパティと部材プロパティ
Tekla Structures により、joints.def ファイルを使用してボルト径が計算されると、その結果を使用して、ジョイント タイプに応じて他のプロパティがボルトと部材に割り当てられます。
たとえば、クリップ アングル ジョイントの場合、ボルトと部材のデフォルトのプロパティは、joints.def ファイルの CLIP ANGLE
セクションにある ANGLECLBOLTPART
で始まる行に存在しています。
以下の表に、各ジョイント タイプのボルトと部材に割り当てることができるプロパティを示します。
プロパティ | 説明 | クリップ アングル | ガセット プレート | エンド プレート | ガセット | 斜材 |
---|---|---|---|---|---|---|
name
|
ジョイント タイプを識別します。
たとえば、ガセット ジョイントの場合は、 |
* | * | * | * | * |
bolt diameter
|
ボルト径がボルト カタログに存在している必要があります。 | * | * | * | * | * |
shear plate thickness
|
ガセット プレートの厚さ | * | ||||
end plate thickness
|
エンド プレートの厚さ | * | ||||
gusset thickness
|
ガセット プレートの厚さ | * | ||||
conn. plate thickness
|
コネクション プレートの厚さ | * | ||||
angle profile または L profile
|
使用するアングル プロファイルの名前がプロファイル カタログに存在している必要があります。正確なプロファイルを入力します (例: L100*100*10 .
|
* | * | * | ||
number
|
各行の垂直方向と水平方向のボルト本数。 | * | * | * | * | * |
pitch
|
垂直方向および水平方向のボルトについて、各ボルトの中心からボルトまでの距離 | * | * | * | * | * |
edge distance
|
あるボルトの中心から垂直方向および水平方向のボルトの部材の縁端までの距離 | * | * | * | * | |
vert. bolt firshole
|
ボルトの最初の垂直方向の行の位置 | * | * | * |
joints.def ファイル内のガセット ジョイント プロパティ
GUSSETDEFDIM
行に、ガセット ジョイントの追加のデフォルト プロパティを入力します。すべてのガセット ジョイントですべてのプロパティが使用されるわけではありません。
プロパティ | 説明 | プレートの形状への影響 |
---|---|---|
name
|
GUSSETDEFDIM
|
|
boltdia_def
|
すべてのボルト グループに適用するボルト径
ジョイント ダイアログ ボックスで [ボルトサイズ] ボックスが空の場合、Tekla Structures はこの値を使用します。 |
|
tol_prim
|
ガセットとメイン部材ウェブ間の間隔 | |
tol_sec
|
ガセットと副部材ウェブ間の間隔 | |
dist_diag_prim
|
選択した最初の副部材とメイン部材の間の間隔 | |
dist_diag_sec
|
選択した最後の副部材から最も近い副部材への垂直距離 | |
angle_first_corner
|
コーナー角度寸法 | あり |
angle_sec_corner
|
||
dist_between_diag
|
ブレース間の間隔 | |
first_bolt_from_line
|
[ガセット] タブのボルト グループのボルト縁端距離 | |
corner_dx
|
コーナー寸法 | |
corner_dy
|
コーナー寸法 | |
movey
|
[ガセット] タブの オプション |
|
movez
|
[ガセット] タブの オプション |
|
dist1
|
一番下のブレースに対して垂直なガセット プレートの縁端の長さ | あり |
dist2
|
ブレースに対して垂直なガセット プレートの縁端の長さ | あり |
dist3
|
一番上のブレースに対して垂直なガセット プレートの縁端の長さ | あり |
tol_lprof
|
ガセット プレートからコネクション プレートまでの縁端の距離 | |
tol_stiffener
|
スチフナー許容精度 | |
chamfer_dx
|
[ガセット] タブのスチフナー角処理寸法 | |
chamfer_dy
|
[ガセット] タブのスチフナー角処理寸法 | |
chamfer_corner_dx
|
|
|
chamfer_corner_dy
|
||
side_length
|
側面の長さ | |
diafit_length
|
[ブレーシング交差 (19)] ジョイントのフィット長。
[パラメータ] タブのオプションが空の場合、Tekla Structures はこの値を使用します。
|
以下の例の図は、[ピクチャー] タブの [ガセット ラップ付 (58)] ジョイントのプロパティを示しています。
-
tol_lprof
-
corner_dy
-
corner_dx
-
dist_diag_sec
-
tol_sec
-
angle_sec_corner
-
dist3
-
dist_between_diag
-
dist2
-
dist1
-
dist_diag_prim
-
tol_prim
joints.def ファイル内の斜材ジョイント プロパティ
DIAGDEFDIM
行に、ボルトと部材の付加的なデフォルト プロパティを入力します。すべての斜材ジョイントですべてのプロパティが使用されるわけではありません。
プロパティ | 説明 |
---|---|
name
|
DIAGDEFDIM
|
boltdia_def
|
すべてのボルト グループに適用するボルト径
ジョイント ダイアログ ボックスで [ボルトサイズ] ボックスが空の場合、Tekla Structures はこの値を使用します。 |
dist_gus_diag
|
ガセット プレートとチューブの間のギャップ
チューブ プロファイルがエンド プレートによって閉じられている場合、 以下の [チューブ交差 (22)] イメージを参照してください。 |
dist_in
|
ブレースの断面図デプス。コネクション プレートをチューブ ブレースの内側に配置しないようにするには、負の値を入力します。
以下の [チューブ交差 (22)] イメージを参照してください。 |
dist_dv
|
コネクション プレートの縁端までのブレース縁端距離。この寸法により、コネクション プレートの幅が変更されます。
以下の [チューブ交差 (22)] イメージを参照してください。 |
sec_cut_tol
|
[ブレース接合] タブ:
|
slot_length_tol
|
|
tube_cut_tol
|
[ブレース接合] タブ:
|
conn_cut_dx
|
[ブレース接合] タブ:
|
conn_cut_dy
|
|
round_plate_tol
|
[ブレース接合] タブ:
|
flanges_cut_angle
|
[ブレース接合] タブ:
|
dist_flanges_cut
|
|
dist_skew_cut
|
|
end_plate_thk
|
エンド プレートの厚さ |
以下の例の図は、[ピクチャー] タブの [チューブ交差 (22)] ジョイントのプロパティを示しています。
-
dist_dv
-
dist_in
-
dist_gus_diag
joints.def ファイル内のボルト寸法に依存したプロファイル
[クリップ アングル (141)] や [両面クリップ アングル (143)] など、一部のジョイントでは Tekla Structures によりプロファイル サイズに基づいてボルト サイズが計算されます。
これらのジョイントでは、[ボルト ] タブで対応するオプションを空のままにした場合、Tekla Structures によって joints.def ファイルにある PROFILE TYPE-DEPENDENT BOLT DIMENSIONS
セクションの PROFILEBOLTDIM
行からボルト サイズが取得されます。
プロパティ | 説明 |
---|---|
width
|
プロファイルの幅 |
one bolt firsthole
|
1 本のボルトの場合、プロファイル アングルの縁端から最初の孔までの距離 |
two bolts firsthole
|
2 本のボルトの場合、プロファイル アングルの縁端から最初の孔までの距離 |
pitch
|
垂直方向および水平方向のボルトについて、各ボルトの中心からボルトまでの距離 |
たとえば、クリップ アングル ジョイントにおいて L6X6X1/2
プロファイルで使用されるボルト寸法を見つける場合、次のようになります。
- Tekla Structures は、まず
PROFILE TYPE-DEPENDENT BOLT DIMENSIONS
セクションのPROFILEBOLTDIM
行でL6X6X1/2
を検索します。 - 一致するものが見つからない場合、Tekla Structures は、
CLIP ANGLE
セクションにあるANGLECLBOLTPART
行で検索します。