モデリングの改良点
Tekla Structures 2021 では、モデリングのさまざまな改良が行われています。
部材のソリッド作成の改良点
Tekla Structures 2021 では、鋼材およびコンクリート部分のソリッド作成でインスタンスが使用されます。これにより、同様の形状を繰り返し再作成しなくても、同じ部材のソリッド形状をモデル内の複数の場所で使用できるようになるため、全体的なパフォーマンスが向上します。同様のすべてのインスタンスに対して 1 つの形状エントリのみが保存されるので、ソリッド形状をソリッド バッファーに保存するために必要なメモリも少なくなります。モデル内の類似した部材の繰り返しに応じて、モデル ビューの開口部、ナンバリング、およびエクスポートなどでパフォーマンスの向上が見られています。
ソリッド形状が作成されて部材のローカル座標に保存されるようになったため、精度が向上します。部材がモデルのグローバル座標内のどこに配置されるかに関係なく、部材が同じシリーズに割り当てられるため、ナンバリングが改善されます。
部材マークの新しいキーボード ショートカット
キーボード ショートカットの改良点は、Tekla Structures 2020 SP3 で導入されました。「 2020 SP3: 新機能と改良点」を参照してください。
オブジェクトをコピーまたは移動するときの新しいプレビュー
[コピー] または [移動] コマンドを使用してオブジェクトをコピーまたは移動すると、モデル内のコピーまたは移動したオブジェクトの新しい位置のプレビューが Tekla Structures に表示されるようになりました。これにより、コピーまたは移動したオブジェクトの目的地点をピックする前に、コピーまたは移動の最終的な結果を確認できます。
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コピーまたは移動するオブジェクトを選択します。
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[コピー] コマンドまたは [移動] コマンドを実行します。
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コピーまたは移動の原点をピックします。
Tekla Structures は、最後にピックした点とカーソル位置の間にラバー バンド線を表示します。カーソルを移動し、プレビューがどのように変化するかを確認します。
Tekla Structures では必ず、目的地点をピックしたときのカーソル位置ではなく、オブジェクトがコピーまたは移動される位置にプレビューが表示される点に注意してください。
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目的地点をピックします。
プレビューに表示されるオブジェクトの数を制限する場合は、詳細設定 XS_PREVIEW_LIMIT
を使用します。デフォルト値は 1000 です。値が 0 の場合、プレビューはオフになっています。
配列化ツール (平行) および配列化ツール (回転) の改良点
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[配列化ツール (平行)] では、コピー数を入力しない場合、コピー数が、[コピーの間隔] ボックスで定義されたオブジェクト間の間隔距離から取得されるようになりました。
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[配列化ツール (回転)] では、角度または距離の値を入力しない場合、コピー数が、[コピーの間隔] ボックスで定義されたオブジェクト間の距離から取得されるようになりました。
Enter キーを使用してコマンドを完了
Enter キーを使用してコマンドを完了できるようになりました。新しい詳細設定 XS_ENTER_FINALIZES_COMMANDS
を TRUE
に設定して、Enter キーをショートカットとして使用できるようにします。
以前は、Space キーとマウスの中ボタンだけがコマンドを完了するショートカットとして機能していましたが、直接変更コマンドの場合は、マウスの中ボタンだけがショートカットとして機能していました。
スナップの改良点
レンダリング オプションが [部材 ソリッド] または [コンポーネント ソリッド] (Ctrl/Shift + 4) になっているビューでは、オブジェクト独自の非表示の参照線または形状線にスナップすることができなくなりました。
クリップ平面の改良点
クリップ平面を作成すると、[半透明ワイヤーフレーム] および [グレースケール] レンダリング オプション (Ctrl + 2、Shift + 2、Ctrl + 3、Shift + 3) を使用したときに、部材およびコンポーネント オブジェクト上の平面を選択できるようになりました。関連するステータス バー メッセージも改良されています。
プロパティ パネルにおけるエラー メッセージの改良点
以前は、プロパティ パネルの値ボックスに無効な値を入力した場合、ボックスの周囲に赤い枠が表示され、赤の感嘆符が表示されていました。今回、感嘆符は表示されませんが、エラー メッセージを示すツールティップが値ボックスの上に表示されるようになりました。
現場打ちコンクリート管理の改良点
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現場打ちコンクリート管理機能のパフォーマンスが向上しています。これらの改良により、モデルを開いて変更したり、現場打ちコンクリート ユニットを計算したりする際の速度が向上します。
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[現場打ちコンクリートユニットを計算] コマンドを使用すると、プレキャスト製品が現場打ちコンクリート ユニットに自動的に追加されなくなりました。ただし、手動で追加することはできます。
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XS_CALCULATE_POUR_UNITS_ON_SHARING
のデフォルト値がFALSE
に変更されました。これにより、アウトおよびイン時に、共有モデルの現場打ちコンクリート ユニットが Tekla Structures により自動的に計算および更新されなくなります。代わりに、各ユーザーは、最新の現場打ちコンクリート ユニット情報が必要になったときに、共有モデルのローカル バージョンで [現場打ちコンクリートユニットを計算] コマンドを実行できるようになりました。 -
現場打ちコンクリートの計算の改良点は、Tekla Structures 2020 SP1で既に導入されていました。詳細については、「2020 SP1: 新機能と改良点」を参照してください。
[ファイル] メニューから削除された [使用対象の統計] セクション
[使用対象の統計] が削除されました。使用状況データはデフォルトで収集される点に注意してください。
の収集されたデータを含む UserFeedbackLog.txt ファイルは、他のログ ファイルと共に、 で参照できるようになりました。
[使用状況データのログ] をクリックして UserFeedbackLog.txt ファイルを開くと、Tekla Structures ログ ビューワーで開くことができる他のログファイルとは異なり、ログ ファイルは常にデフォルトのテキスト エディターで開かれます。ビューアーを切り替えるオプションは、UserFeedbackLog.txt ファイルでは機能しません。
UserFeedbackLog.txt ログ ファイルは、TeklaStructuresModels フォルダーにあります。
その他のモデリングの改良点
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サーフェス オブジェクトをコピーできるようになりました。部材面に定着されている場合、部材がコピーされるとコピーされます。ある部材から別の部材に、あるいは現場打ちコンクリートから別の現場打ちコンクリートになど、仕上げ材を同じオブジェクト タイプに別個にコピーまたは移動することもできます。
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モデル ビューでは、縁端のモザイク状の表示が曲線のサーフェス オブジェクト内で表示されなくなりました。これは、DirectX レンダリングとレガシー (OpenGL) レンダリングの両方に適用されます。
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コマンド [部材をアイテムに変換] および [元の形状から形状を作成] が、リボンの [編集] で使用できるようになりました。以前は、右クリックのコンテキスト メニューまたは [クイック起動] を使用して、これらのコマンドを起動することができました。
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[アクティブ ウィンドウ] サブメニューが、モデリング モードと図面モードの [ズーム] コンテキスト メニューから削除されました。モデリング モードでは、ズーム コマンドは [ズーム] メニューの [ビュー] タブにあり、ツールヒントには関連するキーボード ショートカットが表示されます。どちらのモードでも、ズーム コマンドは [クイック起動] で使用でき、キーボード ショートカットを確認することもできます。
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[鉄筋] および [溶接金網] ブランチが材質カタログから削除されました。鉄筋定義は、鉄筋カタログで使用できます。