点群

Tekla Structures
2021
Tekla Structures

点群

点群とは、Trimble 3D レーザー スキャナなどの 3D レーザー スキャナで作成されたオブジェクトの表面にある一群の測定されたポイントのことです。施工分野では、主に改装プロジェクトなどで改装する建物や構造物を定義するときに点群が使用されます。また、点群は、現場で考慮する必要がある、既存の機械、配管、または地形の正確な位置を把握するためにも使用することができます。さらに、点群をアズビルド ポイントとしてモデルにインポートし、それらを設計と比較することで、出来栄えを確認することもできます。

Tekla Structures の点群について

  • 点群を Tekla Structures モデルに関連付けるときには、モデル原点または定義した基準点のいずれかを基準にして点群を配置することができます。

  • 元の点群ファイルは処理され、Potree 形式のキャッシュ ファイルが作成されます。点群の変換はバックグラウンドで処理されるため、その間も Tekla Structures を使用して作業を続けることができます。

  • 点群データは、詳細設定 XS_POINT_CLOUD_CACHE_FOLDER で定義されたフォルダーに保存されます。デフォルトでは、このフォルダーは %LocalAppData%\Trimble\Tekla Structures\PointClouds (たとえば、C:\Users\<user>\AppData\Local\Trimble\Tekla Structures\PointClouds) にあります。XS_POINT_CLOUD_CACHE_FOLDER 詳細設定は、ユーザー固有の設定で、[詳細設定] ダイアログ ボックスの [ファイル配置] カテゴリーにあります。

  • 点群ファイルが既に Potree 形式の場合、変換や ..\Pointclouds フォルダーへのコピーを行わずに元のファイルが使用されます。

  • 同じ点群を複数のモデルで使用する場合、点群を関連付けるときに点群が変換しなおされたり、複製されたりすることはありません。点群が同じである場合は、既存の変換されたファイルが使用されます。それ以外の場合は、ファイルが変換されます。

  • これは、プロジェクトの Potree ファイル用のネットワーク ドライブを使用する場合に便利です。このファイルはローカル コンピューターにはコピーされません。

  • 点群をインターネット経由で使用することもできます。点群 Web ストリーミング キャッシュは、Trimble Connect for Windows と共通のキャッシュです。キャッシュ フォルダーは、[詳細設定] ダイアログ ボックスの [ファイル配置] カテゴリーの詳細設定 XS_POINT_CLOUDS_WEB_CACHE を使用して定義できます。デフォルトでは、このフォルダーは %LocalAppData%\Trimble\Trimble Connect\Import (たとえば、C:\Users\<user>\AppData\Local\Trimble\Trimble Connect\Import) にあります。キャッシュの使用により、Web ストリーミングの点群のパフォーマンスが向上します。

  • 元のファイル形式で色がサポートされている場合は、Tekla Structures でも点群に色が付けられます。

  • 点群は、OpenGL モデル ビューと DX モデル ビューのどちらでも表示することができます。3D 投影ができる DX モデル ビューのほうが見やすいかもしれません。ただし、データやビューが多すぎると、DX を使用できないことがあります。

互換性のあるファイル形式

ASCII (.asc.xyz)

E57 (.e57)

LAS (.las)

LAZ (.laz)

PTS (.pts)

PTX (.ptx)

Potree (.js)

Trimble scan 形式 (.tzf)

制限事項

  • 一部の基本的な Tekla Structures モデル操作機能 (選択、元に戻す、移動、回転、コピー、右クリック時のポップアップ メニュー) が使用できません。
  • 点群は自動保存されません。
  • キーボードの Delete キーを使用して、点群リストから点群を削除することができません。
  • 点群は図面には表示されません。
  • 点群は Tekla Model Sharing またはマルチ ユーザー モードでは共有されません。
  • ASCII および PTS ファイル形式の場合、各テキスト ラインの最初の 3 つのフィールドは x y z である必要があります。色付きの点データの場合、最後の 3 つのフィールドは r g b である必要があります。

モデルへの点群の関連付け

  1. サイド パネルの [点群] ボタンをクリックします。
  2. 作業領域内に点群を配置する場合は、[作業領域内のみを表示] チェック ボックスをオンにします。
  3. 関連付ける をクリックします。
  4. 点群ファイルをブラウズするか、点群の URL アドレスを入力します。

    URL を使用する場合は、点群マネージャーで作成できる HTTP ディレクトリ構造 Potree を作成する必要があることに注意してください。

  5. 必要に応じて、点群の縮尺を変更します。
  6. [位置] で、[モデル原点] を選択して点群をモデル原点に配置するか、基準点を選択して点群を実際の座標に配置します。
    注: 点群の座標系がわからない場合は、[自動作成の基準点] を選択して点群をモデル原点の近くにします。Tekla Structures 原点に境界ボックス最小 x、最小 y、最小 z の座標の自動基準点が作成されます。
  7. 点群を関連付ける をクリックします。
  8. 点群をモデルに表示するには、点群を表示するモデル ビューを選択し、リストの点群の横にある目のボタン をクリックします。

    モデル ビューを選択すると、フレームが黄色になります。

    モデル ビューに点群を表示するよう設定している場合は、ステータス バーに点群境界ボックスの最小 x、最小 y、最小 z の座標が表示されます。

    点群を非表示にするには、 をクリックします。

モデリングを行うときに、点にスナップして、モデリングを行ったり距離を測定したりできます。点群にクリップ平面を使用して、見たいものを完全に表示することができます。たとえば、屋根や床をクリップし、建物の下部床やそこにある計画段階で確認する必要がある個所をすべて表示することができます。また、Tekla Warehouse のクリッパー ツールを使用して複数のクリップ平面を同時に操作したり、モデルを小さく分割して表示およびモデリングしたりすることもできます。

点群プロパティとビジュアル化設定を変更する

点群をアタッチしており、DirectX レンダリングがアクティブな場合は、点群プロパティとビジュアル化設定を変更できます。

点群の [ビジュアル化設定] はビューに固有であり、設定は 1 つのビューに対してのみ有効です。また、その名前は [点群] サイド パネルの上部に表示されます (複数のビューを選択していない場合)。[プロパティ] 設定は、点群がリストから選択されている場合にのみ有効です。

  1. 点群をアタッチしたら、サイド パネルの点群リストから点群を選択します。
  2. 点群の位置、縮尺、回転を調整します。値を変更するには、サイド パネルで点群を選択する必要があります。

    最後に点群に保存した値を返すには、[リセット] ボタンを使用します。

  3. [変更] をクリックします。
  4. [ビジュアル化設定] で、EDL (アイ ドーム照明) 効果を使用して点群の深度認識を向上させます。スライダーをドラッグし、点群のアウトラインの太さと濃さを増減します。EDL 効果を無効にするには、[EDL] ボタンをクリックします。

  5. [ビジュアル化設定] で、スライダーをドラッグしてポイントのサイズと密度を調整します。
  6. [ビジュアル化設定] で、点群の色を変更します。通常、デフォルトの色の値が使用されています。ビジュアル化設定はビュー固有であるため、ビューごとに異なる設定を使用できます。
    • スライダーをドラッグすると、高さごとに点群に色を付けることができます。

    • 点群に分類が含まれている場合、分類カテゴリー ポイントの色を変更したり非表示にしたりできます。

    • 許容値ごとに異なる色を使用して、干渉と偏差をチェックします。定義した設定に基づいて、選択した部材および選択した参照モデル オブジェクトの中、またはそこから一定の距離内にあるポイントを検出できます。

      レンダリングされたオブジェクトの色付けによって、結果がわかりにくくなる可能性があることに注意してください。明確な結果を得るには、Ctrl+1 および Shift+1 表示モードを使用することをお勧めします。

  7. 将来のニーズに応じて、プロパティとビジュアル化設定を保存します。

モデルからの点群の切り離し

  • 点群を切り離すには、 [ 切り離す ] ([点群 ] リストの点群名の横) をクリックします。モデルを開きなおすか、モデルを保存します。

    キーボードの Delete キーを押しても、点群を切り離すことはできません。

    点群は、デフォルトの場所またはユーザーが指定した場所にキャッシュされます。点群がどの Tekla Structures モデルにも使用されなくなると、点群はキャッシュから削除されます。

ビュー上の点に対するデフォルトの最大数の設定

詳細設定 XS_SET_MAX_POINT_CLOUD_POINT_COUNT を使用し、ビュー上に表示される点に対してデフォルトの最大値を設定することができます。 デフォルト値は 10,000,000 (1,000 万) です。

この詳細設定は、システム固有の設定で、[モデル ビュー] ダイアログ ボックスの [詳細設定] カテゴリにあります。 値を変更した場合は、Tekla Structures を再起動してください。

点群および参照モデルのみのクリッピング

ユーザー固有の詳細設定 XS_DO_NOT_CLIP_NATIVE_OBJECTS_WITH_CLIP_PLANETRUE に設定して、点群および参照モデルのみをクリッピング します (その際は、[ クリップ平面 ] コマンドを使用します)。ネイティブ Tekla Structures オブジェクトはクリッピングされません。デフォルト値は FALSE です。この詳細設定は、[ モデル ビュー ] カテゴリ ([ 詳細設定 ] ダイアログ ボックス内) にあります。

値を変更したら、モデル ビューを再描画 します。

点群の例

次の最初の図では、点群がプラン ビューのモデルに関連付けられています。必ず、モデル ビューを選択した後、目のボタン をクリックしてください。そうしないと、点群は表示されません。

次の図では、クリップ平面ツールを使用して、床やその他の構造物が切り取られています。

次の図では、断面図で使用できるように、断面が切り取られています。

最後の図は、断面図を示しています。

他のユーザーとの点群の共有

通常、点群はファイル サイズが非常に大きくなるため、点群をモデル データの一部として共有することは賢明ではありません。点群は、構造ドメイン データではなく、モデルの一部ではないプロジェクト データであるため、モデルの保存に依存していません。ただし、複数のユーザーが同じ点群モデルを効率的に使用できなければなりません。Potree ファイルを使用して点群を共有することができます。以下に、点群 Potree ファイルをモデル ユーザーと共有する場合のベスト プラクティスについて説明します。最初に Potree ファイルを作成し、共有場所に Potree ファイルをコピーする必要があります。これにより、他のユーザーが Potree ファイルを各自の Tekla Structures モデルに関連付けられるようになります。

Potree ファイルの作成

オプション 1: Tekla Structures を使用する場合

  1. 点群モデルを Tekla Structures モデルに関連付けることで、Potree ファイルを作成します。

    Potree ファイルは、詳細設定 XS_POINT_CLOUD_CACHE_FOLDER で定義されたフォルダーに作成されます。Potree ファイルには、<potree_name>.db という名前が付けられ、同じ名前のフォルダーがあります。例:

  2. <potree_name>.db ファイルとそれに関連するフォルダーの両方を共有場所にコピーします。必要に応じて、モデルの名前を変更できます。名前を変更した場合は、フォルダの名前も変更する必要があります。

    注:

    特に他のユーザーが使用している場合、既存の Potree データを置き換えないでください。

オプション 2: 点群マネージャを使用する場合

Tekla Warehouse からPoint cloud managerをダウンロードすることができます。

Point cloud managerの使用方法の詳細については、Point cloud managerのヘルプを参照してください。ヘルプ ボタン をクリックすると、ヘルプを開くことができます。

Point cloud managerを使用するには、次のようにします。

  1. アプリケーションをインストールし、Windows バージョンに従って [スタート] メニューまたは [スタート] 画面から起動します。

  2. プロジェクトのルート フォルダー (C:\Trimble\PTRS など) を設定します。

  3. [新規プロジェクトの追加] ボタンをクリックし、指定された名前でプロジェクトを作成します。

    この名前が Potree データベースと Potree フォルダーの名前となります。

  4. [ファイルの追加] をクリックして点群ファイルを参照し、1 つまたは複数の点群モデルをインポートします。

  5. 点群がインポートされたら、 をクリックして Potree を作成します。

  6. <potree_name>.db および <potree_name> フォルダーを共有の場所にコピーします。Potree を関連付けるには、<potree_name>.db および <potree_name> フォルダーの両方が必要です。

注:

特に他のユーザーが使用している場合、既存の Potree データを置き換えないでください。

共有場所からの Potree の関連付け

  1. サイド パネルから Tekla Structures および 点群 パネルを開きます。

  2. 点群フォルダ (上記の例では mypotree) を参照し、点群 .js ファイルを選択します。上記の点群を関連付ける手順に従ってください。

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