2D DWG または DXF ファイルへの図面のエクスポート

Tekla Structures
2021
Tekla Structures

2D DWG または DXF ファイルへの図面のエクスポート

Tekla Structures の図面を 2D DWG および DXF 形式にエクスポートできます。一度に複数の図面をエクスポートできます。

DWG/DXF エクスポートはオブジェクトに基づいて行われます。たとえば、陰線タイプを使用して描画された長方形の部材をエクスポートすると、破線で描画された長方形のオブジェクトになります。線に基づく古い DWG エクスポートでは、多数の別々の短い直線がエクスポートされます。ハッチングは、CAD でもハッチング オブジェクトとしてエクスポートされ、別々の線にはなりません。

DWG/DXF 図面のエクスポートでは、以下の操作を実行できます。

  • 異なるオブジェクトのレイヤーを簡単に設定して、マーク テキストや引出し線からマーク枠を分離する
  • フィルターを使用して各部材を分離する
  • 標準の CAD レイヤー設定によって事前定義されているレイヤーを使用する
  • 基準点およびモデル座標を使用する
  • イメージがリンクとしてエクスポートされないように、エクスポート ファイルにイメージを埋め込む

DWG/DXF エクスポートの開始

  1. 次のいずれかの方法でエクスポートを開始します。

    • [ファイル] メニューで、エクスポート > 図面 をクリックし、表示された [ドキュメント管理] から図面を選択する。
    • 図面とレポート > ドキュメント管理 をクリックし、[ドキュメント管理] リストからエクスポートする図面を選択して、[ファイル] メニューで エクスポート > 図面 をクリックする。
    • 図面とレポート > ドキュメント管理 をクリックし、[ドキュメント管理] リストからエクスポートする図面を選択し、右クリックして [エクスポート] を選択するか、下部の [エクスポート] ボタンをクリックします。このコマンドは、図面モードで [ドキュメント管理] を開いている状態では使用できないことに注意してください。
    • 図面を開いている状態で、[ファイル] メニューで [図面のエクスポート] をクリックする。

  2. [プレビューを開く] をクリックし、プレビュー ウィンドウを表示します。エクスポートする図面を多数選択している場合、このウィンドウでも図面を変更することができます。プレビューを初めて表示する場合、[プレビューを更新] をクリックします。[プレビューを更新] をクリックして、プレビューを再度更新できます。プレビューは完了までに時間がかかることがあるため、自動的には更新されません。

エクスポートの設定の定義および DWG/DXF へのエクスポート

  1. [保存する] リストで、以前に保存した、または事前定義されたエクスポート設定を読み込みます。将来使用するために変更した設定を別名で保存する必要がある場合、新しい設定の名前を入力して、[保存する] をクリックします。
  2. [ファイルの場所] で、エクスポートされる DWG ファイルの場所を定義します。

    DWG/DXF ファイルのデフォルトの位置は、現在のモデル フォルダーです。生成された DWG/DXF ファイルのデフォルト フォルダーは、XS_DRAWING_PLOT_FILE_DIRECTORY 詳細オプションでも制御できます。出力フォルダー名の前に .\ を付けることで、相対位置をファイルの場所として使用できます。指定した出力フォルダーが設定に保存されます。[終了時にフォルダを開く] を選択すると、エクスポート後にエクスポート フォルダーが開きます。

  3. [ファイル タイプ] リストで、[DWG] または [DXF] を選択します。
  4. エクスポートに使用される DWG バージョンを選択します。複数のバージョンの AutoCAD または DXF 形式を使用できます。デフォルトは 2010 です。
  5. 必要に応じて、[オプション] タブで他の設定を定義します。

    モデル スペース座標

    次のいずれかのオプションを選択します。

    • ローカル:CAD の座標系の 0 点に図面をエクスポートします。このオプションでは、1 番目のビュー フレームの左下隅を使用してローカル座標が設定されます。フレームを拡大すると、ローカルが移動します。
    • モデル:Tekla Structures の 0 点を CAD の 0 点に対応させ、それに応じて X 座標と Y 座標で CAD の座標系を回転させます。Z 座標はサポートされないことに注意してください。
    • 基準点:<name_of_base_point>: 選択した基準点を CAD の 0 点に対応させ、それに応じて CAD の座標系を回転させます。[ファイル > プロジェクトプロパティ > 基準点] を使用して、Tekla Structures モデルでの基準点の定義 を行います。

      Z 座標はサポートされないことに注意してください。

    ファイルのプレフィックス

    ファイルのサフィックス

    ファイル名に使用する特定のプレフィックスまたはサフィックスを入力します。それに応じてファイル名のプレビューが変更されます。

    DWG のエクスポートでは、次の図面固有の詳細設定がサポートされています。これらの詳細設定を使用して、エクスポートしたファイル名を変更することができます。

    XS_DRAWING_PLOT_FILE_NAME_A

    XS_DRAWING_PLOT_FILE_NAME_C

    XS_DRAWING_PLOT_FILE_NAME_G

    XS_DRAWING_PLOT_FILE_NAME_M

    XS_DRAWING_PLOT_FILE_NAME_W

    これらのオプションに指定できる値の詳細については、「印刷出力ファイル名のカスタマイズ」を参照してください。

    ファイル内に画像を埋め込む

    すべてのイメージをエクスポート ファイル内に埋め込みます。エクスポートには追加のイメージ ファイルは作成されません。

    モデル空間のみにエクスポート

    含まれているすべてのオブジェクトを CAD ファイルのモデル スペースおよび用紙スペースにエクスポートします。レイヤー設定でのモデル座標と全体座標、および用紙スペースの切り替えは無視されます。

    図面にリンクまたはコピーされたビューがある場合は、[モデル空間のみにエクスポート] を選択していないと、結果の DWG ファイルで図面ビューがお互いに重なり合ったり、ビューの境界が不正確になったりすることがあります。これが起きるのは、図面ビューと DWG 形式の用紙スペース表示域が異なる概念であるためです。

    図面に短縮表示部材が含まれる場合に、オブジェクトを 1:1 の縮尺で配置すると、部材の実際のサイズに合わせて端部が拡大されます。CAD モデル スペースで短縮表示部材が拡大されないようにするには、[モデル空間のみにエクスポート] を選択します。これにより、CAD ソフトウェアの図面スペースで短縮表示されたままになります。

    縮尺

    エクスポートした DWG の縮尺を定義します。このオプションは、[モデル空間のみにエクスポート] チェック ボックスをオンにしている場合のみ使用できます。

    たとえば、座標 0,0 と 800 の間に図面があり、縮尺値 5 を定義する場合、生成される DWG は 5 倍大きくなり、その DWG は座標 0,0 と 4000 の間に配置されます。

    別の例として、Tekla Structures の図面ビュー縮尺を 1:50 に設定し、図面を 1:1 の縮尺でエクスポートする必要がある場合は、エクスポート オプション縮尺値 50 を使用すると目的の結果が得られます。

    詳細設定 XS_EXPORT_DRAWING_TRY_TO_KEEP_LOCATIONTRUE に設定すると、DWG 原点は図面ビューの原点として同じ場所に維持されます。この動作は、プラン ビューとエレベーション ビューでのみ実行されます。図面に複数のプラン ビューまたはエレベーション ビューがある場合、DWG 原点は図面枠の左下隅に配置されます。

    ブロックのオブジェクトのグループ解除

    グラフィック オブジェクトを個別のオブジェクトとしてエクスポートします。ブロックにはオブジェクトが追加されません。たとえば、線、ハッチング、および四角形を、ブロックではなく、DWG オブジェクトの線、ハッチング、および四角形にします。このオプションを選択すると、オプション [Tekla Structures ラインワークのみ更新] は無効になります。

    Tekla Structures ラインワークのみ更新

    Tekla Structures の図面の内容を更新して、CAD ソフトウェアで作成された他の内容は同じファイルにそのまま残します。Tekla Structures によって作成されたブロック (グループ) は更新されます。

    この設定は、[詳細設定] ダイアログ ボックスの [エクスポート] カテゴリーで詳細設定 XS_DWG_EXPORT_UPDATE_TS_LINEWORK_OPTIONTRUE に設定している場合にのみ表示されます。

    既に同じ図面がエクスポートされており、レイヤーの設定とテンプレートが以前のエクスポートに使用されたものと同じであることが必要です。CAD ブロックのエディターで編集が行われていない限り、以前に追加されたすべての CAD の線はファイルに残り、Tekla Structures の内容のみが更新されます。

    ブロック (CAD オブジェクト) の内容を編集してから [Tekla Structures ラインワークのみ更新] オプションを選択した場合、ブロック全体が書き換えられ、CAD で加えられた変更は維持されないことにも注意してください。CAD での変更を維持するには、ブロックを編集する前に分解する必要があります。

    たとえば、Tekla Structures から最初に図面をエクスポートした後に CAD ファイルで図面タイトル ブロックを追加し、これらのタイトル ブロックをそのままに維持しながら、Tekla Structures からエクスポートしたオブジェクトのみを更新する場合にこの設定が使用できます。

  6. [レイヤルール] タブで、さまざまなモデル オブジェクトや図面オブジェクト、またはオブジェクトの部材がエクスポートされるレイヤーを明示的に定義できます。たとえば、外周と塗りつぶしやハッチングを区切ることができます。

    また、Tekla Structures の設定または DWG もしくは DXF ファイルで指定された対象レイヤーの設定のどちらの線の色、スタイル、および太さを使用するかを定義できます。Tekla Structures の線の太さ、スタイル、および色は、Tekla Structures の図面での表示と同じになり、DWG エクスポート用に変更することはできないので注意してください。

  7. DWG テンプレートを使用するには、[DWG の対象のレイヤ] リストを使用して、テンプレート ファイルをブラウズします。指定されている場合、レイヤーの定義にテンプレートが使用されます。DWG テンプレートを使用してエクスポートされる図面に表示するオブジェクトが含まれていない限り、このテンプレートには CAD オブジェクトを含めず、レイヤー設定のみを含めるようにしてください。たとえば、すべての事前定義されたレイヤーが含まれる標準の DWG ファイルを使用できます。

    .\ を入力した後にファイル名を入力できます。この場合、Tekla Structures によるファイルの検索が、モデル、プロジェクト フォルダーと企業フォルダー、詳細設定 XS_DRIVER によって指定されたフォルダー、システム フォルダー、ユーザー設定フォルダーの順に行われます。

    DWG または DXF ファイルが検索されて読み込まれるまで、[ブラウズ(B)...] ボタンの横に DWG ファイルが見つかりません というテキストが表示されます。

    [DWG の対象のレイヤ] リストから新しい DWG ファイルが読み込まれるときに、対象のレイヤー ボックスが一時的に黄色に変わります。DWG ファイルに利用可能なレイヤーが存在しない場合は、ボックスが赤色に変わります。

  8. 次のようにルールを追加します。
    • 右側の [追加(A)] ボタンをクリックするか、または [コピー] ボタンをクリックして選択したルールをコピーすることによって、新しいルールを作成できます。複数のルールを選択できます。
    • [] ボタンおよび [] ボタンをクリックすると、ルールをセットにして上下に移動できます。複数のルールを選択できます。
    • ルールを削除する場合は、そのルールを選択して [削除] をクリックします。一度に複数のルールを削除できます。
  9. ルール コンテンツを定義します。

    オブジェクト

    エクスポートするオブジェクトを選択します。

    一部のオブジェクトには、現在、隣接部材マークなどのマークが付いており、別々に表示されないことに注意してください。エクスポートでこれらを分離するには、[オブジェクトのフィルタリング] を使用して、部材および隣接部材用の複数のマーク ルールを作成する必要があります。

    [オブジェクト] リストに含まれない他のすべてのオブジェクトを含めるには、ルール リストの最後に [すべて] オブジェクト ルールを追加します。これは、ルールがリストに表示される順序で読み取られるためです。

    現場打ちコンクリート部材をエクスポートするには、モデルで現場打ちコンクリート部材を有効にする必要があります。「XS_​ENABLE_​POUR_​MANAGEMENT」を参照してください。

    表示フィルタリング

    オブジェクトのどの部材がルールに従うかを定義します。[すべて] を選択することもできます。

    [表示フィルタリング] オプションは、オブジェクト タイプによって異なります。

    1 つのルールに複数のフィルターを追加することはできません。たとえば、マーク枠をマーク テキストから分離するには、マークに 2 つのルールを作成し、最初のルールで [表示フィルタリング] を [テキスト] に設定して、次のルールで [フレーム] に設定する必要があります。以下の「レイヤー ルールの例」に例を示します。

    オブジェクトのフィルタリング

    現在のモデルに定義されている選択フィルターの属性ファイルを読み取ります。

    これらのファイルは、現在のモデル フォルダーからのみ読み込むことができ、企業フォルダーやプロジェクト フォルダーからは読み込めません。

    対象のレイヤ

    DWG テンプレートが見つからない、または独自のレイヤーを作成する場合には、[対象のレイヤ] ボックスに新しいレイヤーの名前を入力するか、または以前に使用したレイヤーをリストから選択します。

    DWG テンプレートを追加したら、そのレイヤーが [対象のレイヤ] リストに表示されることに注意してください。

    [DWG の対象のレイヤ] リストから新しい DWG ファイルが読み込まれるときに、対象のレイヤー ボックスが一時的に黄色に変わります。DWG ファイルに利用可能なレイヤーが存在しない場合は、ボックスが赤色に変わります。

    線スタイル

    線の太さ

    ラインワークを Tekla Structures の設定から取得するか、DWG テンプレートから取得するかを定義します。

    用紙スペース

    図面オブジェクトを DWG ファイルの用紙スペースに (ビュー ポータルを使用せずに) 正しく描画するには、[用紙スペース] チェック ボックスをオンにします。

    このチェック ボックスがオンになっていない場合、用紙スペースにはモデル スペースのポータルのみが表示されます。

    マーク、寸法、テキストなどの図面注記は用紙スペースにのみ追加することをお勧めします。これにより、Tekla Structures の図面ビューで部材がカットされる場合などに、これらの図面注記が正しく表示されます。

    含む

    最終的な DWG にルールを含めるには、ルールの隣にある [含む] チェック ボックスをオンにします。一部のオブジェクトをエクスポートしない場合、[含む] チェック ボックスをオフにします。

  10. エクスポートする前に、プレビューを開き、[プレビューを更新] をクリックして結果をプレビューします。
  11. [エクスポート] をクリックします。

    定義した設定とルールに基づいて図面がエクスポートされます。ルールはリストに表示されている順番で読み取られます。[終了時にフォルダを開く] を選択している場合、エクスポート フォルダーが開きます。

    エクスポートされた図面が見つからないか、最新の状態でない、またはこれに似た問題が発生した場合は、図面を読み取ることができません というエラー メッセージが表示されます。

    [エクスポート] ボタンをクリックすると、エクスポートを開始する前に Tekla Structures によりファイルを書き込むことができるかどうか確認され、必要なアプリケーションを閉じるように求められます。また、ファイルが既に存在するかどうか確認され、既存のファイルを上書きするかどうか尋ねられます。

レイヤー ルールの例

次の例では、3 つの個別のマーク ルールが作成されており、これらがレイヤー 1、2、および 3 でエクスポートされます。線はレイヤー 1、テキストはレイヤー 2、枠はレイヤー 3 でエクスポートされます。

エクスポート後に、CAD ビューワーに表示されているレイヤーに応じて、CAD モデルのマークを次の 3 つの方法で表示できます。

すべてのレイヤーを表示する:

線が含まれるレイヤー 1 を非表示にする:

テキストが含まれるレイヤー 2 を非表示にする:

枠が含まれるレイヤー 3 を非表示にする:

ヒント

  • DWG ファイルを 出力ファイル バージョン 2013 にエクスポートする場合には、CAD での制限によって、次のように CAD モデルでのレイアウトにワイプアウト フレームが表示されます。

    これを防ぐには、AutoCAD で作成された DWG ファイルのレイヤー テンプレートを使用するか、または 2010 (デフォルト) 以前のバージョンにエクスポートします。

  • ワイプアウト フレームが表示される別の理由として、ワイプアウト フレームを表示するように設定された DWG テンプレートを使用していることが考えられます。CAD テンプレートでワイプアウト フレームを非表示にします。

古い DWG/DXF エクスポートを使用する方法

古い DWG/DXF エクスポートを使用する場合は、詳細設定 XS_USE_OLD_DRAWING_EXPORTTRUE に設定します ( .ini ファイル)。この詳細設定のデフォルトは FALSE.古いエクスポートの使用手順については、2D DWG または DXF への図面のエクスポート (古いエクスポート)を参照してください。

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