点群

Tekla Structures
2019
Tekla Structures

点群

点群とは、Trimble 3D レーザー スキャナなどの 3D レーザー スキャナで作成されたオブジェクトの表面にある一群の測定されたポイントのことです。 施工分野では、主に改装プロジェクトなどで改装する建物や構造物を定義するときに点群が使用されます。 また、点群は、現場で考慮する必要がある、既存の機械、配管、または地形の正確な位置を把握するためにも使用することができます。 さらに、点群をアズビルド ポイントとしてモデルにインポートし、それらを設計と比較することで、出来栄えを確認することもできます。

点群を Tekla Structures モデルに関連付けるときには、モデル原点または定義した基準点のいずれかの基準にして点群を配置することができます。

元の点群ファイルは処理され、Potree 形式のキャッシュ ファイルが作成されます。点群の変換はバックグラウンドで処理されるため、その間も Tekla Structures を使用して作業を続けることができます。点群データは、詳細設定 XS_POINT_CLOUD_CACHE_FOLDER で定義されたフォルダーに保存されます。デフォルトでは、このフォルダーは %LocalAppData%\Trimble\TeklaStructures\PointClouds (たとえば、 C:\Users\<user>\AppData\Local\Trimble\Tekla Structures\PointClouds ) にあります。これは、プロジェクトの Potree ファイル用のネットワーク ドライブを使用する場合に便利です。このファイルはローカル コンピュータにはコピーされません。この詳細設定は、ユーザー固有の設定で、[ 詳細設定 ] ダイアログ ボックスの [ ファイルフォルダ ] カテゴリーにあります。

同じ点群を複数のモデルで使用する場合、点群を関連付けるときに点群が変換しなおされたり、複製されたりすることはありません。点群が同じである場合は、既存の変換されたファイルが使用されます。それ以外の場合は、ファイルが変換されます。

元のファイル形式で色がサポートされている場合は、 Tekla Structures でも点群に色が付けられます。

点群は、OpenGL モデル ビューと DX モデル ビューのどちらでも表示することができます。 3D 投影ができる DX モデル ビューのほうが見やすいかもしれません。 ただし、データやビューが多すぎると、DX を使用できないことがあります。

互換性のあるファイル形式

ASCII ( .asc.xyz )

E57 ( .e57 )

LAS ( .las )

LAZ ( .laz )

PTS ( .pts )

PTX ( .ptx )

Potree ( .js )

Trimble スキャン形式 ( .tzf )

制限事項

  • 一部の基本的な Tekla Structures モデル操作機能 (選択、元に戻す、移動、回転、コピー、右クリック時のポップアップ メニュー) が使用できません。
  • 点群は自動保存されません。
  • キーボードの Delete キーを使用して、点群リストから点群を削除することができません。
  • 点群は図面には表示されません。
  • 点群は Tekla Model Sharing またはマルチユーザー モードでは共有されません。
  • ASCII および PTS ファイル形式の場合、各テキスト ラインの最初の 3 つのフィールドは x y z である必要があります。色付きの点データの場合、最後の 3 つのフィールドは r g b である必要があります。

モデルへの点群の関連付け

  1. サイド パネルの [ 点群 ] ボタンをクリックします。

  2. 作業領域内に点群を配置する場合は、[ 作業領域内のみを表示 ] チェック ボックスをオンにします。
  3. [ 関連付ける ] をクリックします。
  4. 点群ファイルを参照します。
  5. 必要に応じて、点群の縮尺を変更します。
  6. [ 位置 ] で、[ モデル原点 ] を選択して点群をモデル原点に配置するか、基準点を選択して点群を実際の座標に配置します。
    Note: 点群の座標系がわからない場合は、[ 自動作成の基準点 ] を選択して点群をモデル原点の近くにします。 Tekla Structures 原点に境界ボックス最小 x、最小 y、最小 z の座標の自動基準点が作成されます。
  7. [ 点群を関連付ける ] をクリックします。
  8. 点群をモデルに表示するには、点群を表示するモデル ビューを選択し、リストの点群の横にある目のボタンをクリックします。

    モデル ビューを選択すると、フレームが黄色になります。

    モデル ビューに点群を表示するよう設定している場合は、ステータス バーに点群境界ボックスの最小 x、最小 y、最小 z の座標が表示されます。

    点群を非表示にするには、をクリックします。

モデリングを行うときに、点に スナップ して、モデリングを行ったり距離を測定したりできます。点群に クリップ平面 を使用して、見たいものを完全に表示することができます。たとえば、屋根や床をクリップし、建物の下部床やそこにある計画段階で確認する必要がある個所をすべて表示することができます。また、Tekla Warehouse の クリッパー ツール を使用して複数のクリップ平面を同時に操作したり、モデルを小さく分割して表示およびモデリングしたりすることもできます。

モデルからの点群の切り離し

  • 点群を切り離すには、[ 点群 ] リストの点群名の横にある [ 切り離す ] をクリックします。モデルを開きなおすか、モデルを保存します。

    キーボードの Delete キーを押しても、点群を切り離すことはできません。

    点群は、デフォルトの場所またはユーザーが指定した場所にキャッシュされます。点群がどの Tekla Structures モデルにも使用されなくなると、点群はキャッシュから削除されます。

ビュー上の点に対するデフォルトの最大数の設定

詳細設定 XS_SET_MAX_POINT_CLOUD_POINT_COUNT を使用し、ビュー上に表示される点に対してデフォルトの最大値を設定することができます。 デフォルト値は 10,000,000 (1,000 万) です。

この詳細設定は、システム固有の設定で、[ ビュー(モデル) ] ダイアログ ボックスの [ 詳細設定 ] カテゴリにあります。 値を変更した場合は、Tekla Structures を再起動してください。

点群および参照モデルのみのクリッピング

[ クリップ平面 ] コマンドを使用して点群および参照モデルのみを クリッピング するには、ユーザー固有の詳細設定 XS_DO_NOT_CLIP_NATIVE_OBJECTS_WITH_CLIP_PLANETRUE に設定します。ネイティブ Tekla Structures オブジェクトはクリッピングされません。デフォルト値は FALSE です。この詳細設定は、[ 詳細設定 ] ダイアログ ボックスの [ ビュー(モデル) ] カテゴリーにあります。

値を変更したら、モデル ビューを 再描画 します。

点群の例

次の最初の図では、点群がプラン ビューのモデルに関連付けられています。必ず、モデル ビューを選択した後、目のボタンをクリックしてください。そうしないと、点群は表示されません。

次の図では、クリップ平面ツールを使用して、床やその他の構造物が切り取られています。

次の図では、断面図で使用できるように、断面が切り取られています。

最後の図は、断面図を示しています。

他のユーザーとの点群の共有

通常、点群はファイル サイズが非常に大きくなるため、点群をモデル データの一部として共有することは賢明ではありません。点群は、構造ドメイン データではなく、モデルの一部ではないプロジェクト データであるため、モデルの保存に依存していません。ただし、複数のユーザーが同じ点群モデルを効率的に使用できなければなりません。Potree ファイルを使用して点群を共有することができます。以下に、点群 Potree ファイルをモデル ユーザーと共有する場合のベスト プラクティスについて説明します。最初に Potree ファイルを作成し、共有場所に Potree ファイルをコピーする必要があります。これにより、他のユーザーが Potree ファイルを各自の Tekla Structures モデルに関連付けられるようになります。

Potree ファイルの作成

オプション 1: Tekla Structures を使用する場合

  1. 点群モデルを Tekla Structures モデルに関連付けることで、Potree ファイルを作成します。

    Potree ファイルは、詳細設定 XS_POINT_CLOUD_CACHE_FOLDER で定義されたフォルダーに作成されます。Potree ファイルには、 <potree_name>.db という名前が付けられ、同じ名前のフォルダーがあります。例:

  2. <potree_name>.db ファイルとそれに関連するフォルダの両方を共有場所にコピーします。必要に応じて、モデルの名前を変更できます。名前を変更した場合は、フォルダの名前も変更する必要があります。

    Note:

    特に他のユーザーが使用している場合、既存の Potree データを置き換えないでください。

オプション 2: 点群マネージャを使用する場合

Tekla Warehouse から Point cloud manager をダウンロードすることができます。

Point cloud manager の使用方法の詳細については、 Point cloud manager のヘルプを参照してください。ヘルプ ボタン をクリックすると、ヘルプを開くことができます。

Point cloud manager を使用するには、次のようにします。

  1. アプリケーションをインストールし、Windows バージョンに従って [スタート] メニューまたは [スタート] 画面から起動します。

  2. プロジェクトのルート フォルダ ( C:\Trimble\PTRS など) を設定します。

  3. [新規プロジェクトの追加] ボタンをクリックし、指定された名前でプロジェクトを作成します。

    この名前が Potree データベースと Potree フォルダーの名前となります。

  4. [ファイルの追加] をクリックして点群ファイルを参照し、1 つまたは複数の点群モデルをインポートします。

  5. 点群がインポートされたら、をクリックして Potree を作成します。

  6. <potree_name>.db<potree_name> フォルダを共有場所にコピーします。Potree を関連付けるには、 <potree_name>.db<potree_name> フォルダの両方が必要です。

Note:

特に他のユーザーが使用している場合、既存の Potree データを置き換えないでください。

共有場所からの Potree の関連付け

  1. サイド パネルから Tekla Structures および 点群 パネルを開きます。

  2. 点群フォルダ (上記の例では mypotree ) を参照し、点群 .js ファイルを選択します。上記の点群を関連付ける手順に従ってください。

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